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5/20〜監督作「キミサラズ」公開@下北沢トリウッド

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2017年09月16日

パリ、テキサス

ちょっとここのところ創作意欲というか、新しい脚本のアイデアが浮かばずに苦しい
内から出てくるものがなく、なんとなく無気力
ぽっかりと胸に穴が空いたような気持ち
でも、そういう時間やエモーションもまた掛け替えのないもの
僕はパリ、テキサスのような映画が好きで、そんな映画を撮りたかったんだ

posted by 井川広太郎 at 12:55| Comment(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2017年09月08日

あなた、そこにいてくれますか

『あなた、そこにいてくれますか』(英題 Will You Be There?/2016年/韓国/配給 ギャガ・プラス/111分)



監督:ホン・ジヨン
出演:キム・ユンソク、ピョン・ヨハン、チェ・ソジン、キム・サンホ

公式サイト http://gaga.ne.jp/anasoko/
10月14日(土) ヒューマントラストシネマ渋谷 他 全国順次ロードショー


フランスの作家ギヨーム・ミュッソのベストセラー小説「時空を超えて」を韓国で実写映画化

甘ったるいタイトルの韓流ラブストーリーなんでしょって軽い気持ちで観たら、うっかり泣かされた。
冒頭で医療感動もの?と思わせて、メルヘン寄りのファンタジーに展開してからの、実はタイムトリップするSFってところに驚かされるのだが、その設定を活かし、ひと時の恋愛から愛や人生の選択を問う人間ドラマに昇華していくのが素晴らしい。

タイムトリップものだと、いまの流行は圧倒的に平行宇宙で、タイムトリップするたびにパラレルワールドが増えていくというアレ。
その点、この映画は『バックトゥーザフューチャー』のようにタイムトリップするたびに歴史を塗り替えていく設定で、つまり”正しい歴史”に辿り着くための冒険。

でも、正しい歴史って何? 正しい恋愛って何なんだろう? そもそも恋愛感情で何もかも決定していいのかな?
いや、そうではなく、僕らには家族とか友人とか仕事とか人生という重みがあって。
しかし、恋愛がどうでもいいわけでは決してなく、だとしたら、人生をかけて恋愛を問う瞬間って、どんな時なんだろう?

若い時には若い恋があるように、年を取ると大人の愛があるのかもしれない。
おっさんの心にジーンと沁みるいい映画だった!
posted by 井川広太郎 at 18:36| Comment(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする

2017年09月07日

禅と骨

大ヒット作「ヨコハマメリー」の中村高寛監督による映画「禅と骨」を観てきた。
前作から実に11年ぶりとなる新作なのだが、制作期間も8年に及ぶという力作で、長年待った甲斐がある素晴らしい作品であった。
本作は、アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれ、禅僧となったヘンリ・ミトワを追ったドキュメンタリーである。
のだが、ポップでハイセンスなタイトルに始まり、ドラマパート、アニメパートなども挿入され、なんでもありのお祭りのような、つまりはとてつもなく映画的な映画であるとしか言いようがない。
表現するためには決して妥協しない中村監督の強い想いが、自由に解き放たれた傑作だ。

なによりも明るく奔放なヘンリ・ミトワのキャラクターが魅力的なのだが、ハーフとして日本で育つ困難、元芸者であるという母の苦労、渡米後に太平洋戦争が勃発し強制収容所に収監されたこと、国籍の選択に迷いながらもそこで結婚し子供を授かったことなど、その数奇な運命は日本の歴史をなぞる。
なのに悲壮感はまるでなく、ポジティブとかネガティブとか言う以前に楽しく生きることに全力なヘンリ・ミトワの痕跡をたどるだけで、面白くて仕方がない。
本編の中に「知足」の話が出てくるが、とてもじゃないが足るを知っているように思えない。欲のままに生き、望み、愉しみ続けるヘンリ・ミトワの人間味あふれる生き様は、果たしてあの困難な時代をもこうして生き延びたのかと納得させるほど、どうしようもなく素敵だ。

帰国後に文字通り日米の架け橋となるべく僧侶となってからも、ヘンリ・ミトワはむしろ拍車をかけて破天荒になっていくわけだが、それに振り回される家族の視点からも話が展開していくのも素晴らしい。
近くで、冷たくも優しく彼を見守る家族は、時に喧嘩し、いら立ち、距離を取り、それぞれが自立した一個人として敬愛を持って接する。そうしたどうしようものさを抱えた家族的な営みにシンクロして、ヘンリ・ミトワを決して美化せず、むしろ徹底的に生々しく泥臭く真実味を持ってカメラは迫り続ける。

その結果、被写体であるヘンリ・ミトワと監督との関係性がむき出しになっていく。
被写体との関係性とその変化を包み隠さずに見せ切ってしまうのが中村監督の凄みなのだが、ヘンリ・ミトワと監督がそれぞれの率直な感情や想いをあらわにするシーンでは、ドキュメンタリーとは何か、カメラとは何か、映画を撮るとはどういうことなのかにまで肉薄する。
そこで、ヘンリ・ミトワと監督が似ているのだと気づく。頑固で、奔放で、決して譲らず、しかし優しく寛容で、一切の妥協をしない、ものづくりをする人間の狂気じみた信念の強さと、それを分かち合った者同士の共感がそこにはあり、乱暴だったり口は悪かったりしても、彼らはつねに真剣でどこまでも真摯なのだ。

膨大な取材を重ねたドキュメンタリーに加え、俳優たちが演じるドラマパートがまた良い。
ヘンリ・ミトワを誠実に演じるウエンツ瑛士に始まり、画面に圧倒的な母を示してみせる余貴美子、そして緊迫するシーンで緊張感をたぎらせる永瀬正敏など、各俳優がドキュメンタリーのインパクトに負けない存在感を発揮していて、驚くほど見応えある。

さすがドキュメンタリストでありながらドラマ演出にも長けた中村監督という印象だが、いずれにしろ、ドキュメンタリーやドラマやアニメを自在に行き来するスタイルもまた、ヘンリ・ミトワの奔放さを表しているような気がしてならない。ハチャメチャでありながら、これしかなかったのだ!という強い意思とそれを貫いた爽快さも感じられる。
映画本来の自由なフォルムで、やりたい放題楽しんで、何はともあれ生きて死んだ。メチャクチャ面白い人生賛歌。これは是が非でも!
9/2(土)よりポレポレ東中野、キネカ大森、横浜ニューテアトルほかにて、順次公開。

posted by 井川広太郎 at 09:33| Comment(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2017年09月06日

ひかりのたび

『ひかりのたび』(2017年/日本/配給 マグネタイズ・太秦/91分)



監督・脚本:澤田サンダー
製作:小林栄太朗、畠中博英、木滝和幸
出演:志田彩良、高川裕也、瑛蓮、杉山ひこひこ、萩原利久、山田真歩、浜田晃、ほか

公式サイト http://hikarinotabi.com/
2017年9月16日(土)新宿K's cinemaほか全国順次公開!


地方都市で暗躍する不動産ブローカーの男と、そんな父に連れられ各地を転々とする娘との関係性を描く

日本人は呑気に利権を貪り、外国人が土地買収に勤しむという殺伐とした資本主義の限界集落には、悪い奴等しかいやしないが、みんな等しくかよわく、寂しく、その日を生き延びるために必死でもがいている。
そんな彼らが奏でる哀愁の協奏曲は、なんとも牧歌的だ。

テレビ番組「カンブリア宮殿」などのナレーションでおなじみで「キミサラズ」にもご出演頂いた高川裕也さん、ファッション誌「ピチレモン」の専属モデルを務めたという志田彩良さんなど、実力ある俳優たちが、“普通”という逞しさを丹念に演じていて素晴らしい。

最近は地方映画も多いけれど観光パンフレットみたいなノリの作品ばかりなので、こういう独自の切り口の作品はとても興味深い。
過去に縛られれ今を生きるた人たちの物語は、陰惨なようでいてどこか瑞々しいのだ。
素直になれない高校生カップルが自転車を押して坂道を登る長い長い長回しが、とても印象的だった。うーん、これもそれも青春なんだぜ!
posted by 井川広太郎 at 16:20| Comment(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする

2017年09月04日

エル ELLE

誕生日9月1日は、多くの劇場で割引料金で映画が観られる映画サービスデー。
バーホーベンの「エル」を観ようと思っていたんだけど、タイムスケジュールの都合で先にピカデリーで「新感染」を観ることに。
観終わってから、さて「エル」のチケットを買おうと新宿東宝に行ったら、なんと次の回は売り切れで、数時間待つ夜の回でないと空席がない。
それはしんどいので、セルゲイ・ポルーニンのドキュメンタリーを観ようとシネマカリテに行ったのだが、こちらもかなりの売れ行きで、ちょっと厳しめの席しか空いていない。
ならば初志貫徹で「エル」を観んべ!と新宿東宝に戻りチケットを購入しようとしたら、なんと狙っていた夜の回も空席があと二つ!
好きではない最前列のシートだけど、これはもう致し方ないと腹を決める。
開映まで時間があるので、一度家に帰って飯食って、新宿東宝に戻って映画を観終わったら、日付が変わる頃であった。
いやしかし、さすがバーホーベンと言うべきか、「エル」粘って観た甲斐あった。

posted by 井川広太郎 at 14:25| Comment(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2017年08月31日

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦

占領下のチェコでナチスの幹部ハイドリヒの暗殺が計画されたという史実に基づく話だが、サスペンスとして超一級品。
さすが天才映画監督ショーン・エリス、自ら構える手持ちカメラを大胆に扱いつつ築く緻密な映像設計で、ドキュメンタリータッチでありながら劇的な映画に仕立て上げている。
冒頭のジクジクする足の怪我から始まり、徹底的に身体と心の「痛み」を演出することで、当時の状況を表現しつつ、ドラマに深みと緊張感を張り巡らせている。
大量虐殺し、密告を強要し、恐怖と武力で支配しようするヒトラーの”手口”にも”動機”にも、怒りと軽蔑と嫌悪感しか感じない。
だが、それを相手に戦う主人公たちを単なるヒーローとして祭り上げるのではなく、むしろ戦争という大局に巻き込まれた被害者の一人として扱っている。
彼らは使命感に燃えながらも、迷うし、恋もするし、無駄に命を捨てることになるかもしれないという不安と葛藤し、悲壮感すら漂っている。
激しい銃撃戦で、銃弾や手榴弾の雨あられの中でバッタバタと犬死していくドイツ兵の一人一人にも家族や恋人がいることを想起させ、戦争の徹底的な不条理さというか馬鹿馬鹿しさを強く印象付ける。
主演の二人が、クリストファー・ノーラン版「バットマン」のスケアクロウのキリアン・マーフィーと、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」の彼であってムッハー。
そしてヒロインの二人が圧倒的に儚く可憐で美しく、素晴らしく圧倒的な運命の女感。哀しいよな。写真を残そう。

posted by 井川広太郎 at 08:11| Comment(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2017年08月25日

ストロンボリ

ストロンボリ式噴火と聞いて、その語源となったイタリアの火山島ストロンボリでロケされた映画を思い出す
ロッセリーニの作品への出演を熱望したバーグマンが主演し、二人は撮影中に恋に落ちたという
巨匠と大女優との不倫は映画史における事件だが、まさにその舞台となった作品
クライマックスでバーグマンが顔を手で覆うシーンがあまりにも美しく、忘れがたい!

posted by 井川広太郎 at 05:31| Comment(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする