2004年11月30日

5nights&6days 4 CLEAN

10月02日土曜

11:00 起床

昨晩は流石に呑み過ぎたのか、あるいは単純に長い1日だった為か、俺の体内時計も若干の誤差を生じたらしく、目が醒めた時は既に午前が終ろうとしていた。かつて、夜勤のバイトをしていた頃や、さらに昔々、毎晩の様にオールナイトで映画を観ていたか、映画仲間と朝まで酒を呑んでいた頃は夜型万歳生活であったが、早寝早起きが習慣づいてからは、お日様燦燦、体内時計も正確そのもの、1日が長く充実し、健康とはこのことか!と実感した。編集は夜しか出来ないと信じていたが、最近は午前中からでもちゃんとやれる。やっぱ、食生活と規則的な睡眠が人間にとっては何よりだと思う。

とはいえ、無論のことではあるが、映画の撮影中はそんなこと一切、無視される。現場では現場毎に時間軸が存在し、それがそれで必要であって、健康的なことなのである。寝られるれる時に眠り、食べられる時に喰う。ラフにタフに。まあ、その為にも普段は健康生活をしていることが重要なのだが。

で、白川監督は当然の如く、爆睡中。さて、珈琲でも煎れるか… おっと!俺には大事な予定が合ったと、慌ててホテルを出る。

11:30 「CLEAN」オリヴィエ・アサイヤス GR3

昨日と同じGranville CINEMAに向う。ここで今日は… アサイヤスの新作を上映するのだ!オリヴィエ・アサイヤス。その名を聞くだけで興奮する映画監督はそうはいない。現代の映画監督の中で最も知的でエレガントで美しい作品を創る監督だと思うのだが、俺の回りでは支持者が不思議と少ない。つーか、この人の話題が出ることすら滅多にない。なぜだか、いつも分からない。「イルマ・ヴェップ」は奇跡の映画だから、まあ別にしておいても、「冷たい水」や「パリ・セヴェイユ」とか文句なしに最高じゃないか!そう言えば「8月の終わり、9月の初め」は、ほとんど全く分からないフランス語でありながら観た瞬間、最高!って思ったので、劇場公開が待ち遠しいと期待してたのに、結局、日本では公開されなかった。なぜだ!本当に不思議で仕方ない。

んなわけで、日本では中々お目に掛かれないアサイヤスの新作がバンクーバーで観られるとは、幸運至極である。とっても胸が高鳴りながら劇場に入る。我々は映画祭からPASSを貰っているので、期間中は全ての作品が無料で見られる。これも、映画祭の醍醐味の一つ。

席に着いて周りを見回すと、観客にチャイニーズ系が目立つ。それもそのはず、この映画の主演はマギー・チャン!マギー!!最高にも程がある。「イルマ・ヴェップ」で出演して、そのままアサイヤスと付合い始めた頃は、映画界史上最高のカップルと羨んだが、二人は離婚後も仲良しらしい。いや、それこそ、ゴダールとカリーナ宜しく、仲悪くても映画で繋がっちゃっているのかもしれない。んなことは、どうでもいい。マギー主演のアサイヤスの新作を観られるという幸福を神に感謝!

「CLEAN」(2004/Olivier Assayas)
ヤクザな女に身を落としたマギー(この時点でカッコ良過ぎ!)が、ついにお縄を食らう。娑婆に出て更正しようと幼い我が子に再会するも彼にも見放される。マギーは必死に彼とコミュニケーションを取りながら、嘗ての自分の生き甲斐であったシンガーとして復帰する為、忌まわしき記憶と格闘しながら、必死に生きる…
クローズアップで只管マギーを追うカメラは、緊張感に満ち、愛情と憎悪を漲らせる。それから逃げる様に街の中を彷徨うマギーが最後に迎えるラストカット。ラストカットは凄いよ。救われちゃう。俺は救われちゃったから。
これさ、この映画が感動的なのは、やっぱアサイヤスがマギーの為に、マギーを想って撮ったからなんだよね。そりゃ感動するよ、泣けるよ。この話聞いただけで泣けないか?俺は泣ける。
この作品でマギーがカンヌの主演女優賞を取ったり、やっぱライヴとかクラブを撮らせたらアサイヤスの右に出るものはいないし、作中曲つーか演奏しつつバンドが出演しているんだけど滅茶苦茶カッコ良かったよ。うん。
ぶっちゃけ、本当に愛する映画については何も語れません。ごめんなさい。
これだけは言っとくわ。とにかく最高だから。

13:30 図書館へ

感動する映画を観た後は、街をうろついてしまう。茫然自失というのだろうか。なんか世界との接点がなかなか回復しなくて、視覚も聴覚も触覚も、五感が機能してない感じのまま、ぼーっと行くアテもなく歩く。

しばらく公園で陽を浴びてる。天気が良い土曜日の昼すぎ。街に人が溢れている。しかし日本で言う雑踏とは違う。映画を見た後劇場を出て、人込みに負けてしまうことがある。幸いここはバンクーバーであって、街にいるのが苦痛ではない。

 

歩道の側のベンチでは誰かが持ってきたらしいチェスセットが何組も置かれ、みなで対局している。参加しようかとも思ったが、チェスはあまり上手ではないので止めた。

で、次の予定まで少し時間があるので、公立図書館に向う。昨日、教えてもらったのだが、バンクーバーの公立図書館ではブロードバンドに接続したPCが無料解放されているらしい。で、英語のみならず、日本語、中国語、韓国語など様々な言語に対応できるとのこと。HUEのHPを更新しよう!

とっても広く綺麗で立派な公立図書館の一階にPCが50台ほど並んでいるスペースがある。それらは全て誰かが使用中で、何人かが並んで順番を待っている。きっとここだろう。しばらく待つと俺の番が来た。

確かにPCはネットに繋がる。日本語のページもバッチリ見られる。しかし、日本語入力への切り替え方が分からない… キーボードがね、違うんだよ。配列とか。ちょっとショック。勿論、概ね一緒なのだが、細かい部分が微妙に違う。あるはずのキーがあったり、なかったり。なんで、入力切替とかどうすればいいのか全く分からない。色々試してみたのだが駄目だった。こんなところでもカルチャーショックを受けるとは… 次の予定の時刻も差し迫ってきたので、必要なメールを英語で返信するに止める。

日本では、制作の江原さんが「SPICA」のプリプロを一手に引き受けているので、色々情報交換せにゃあかんのです。
posted by 井川広太郎 at 23:20| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | バンクーバー旅行記2004 | 更新情報をチェックする

すかんち

いま書き物をしているのだが、BGMに久々に“すかんち”をかけてみた。
最高。
すかんち最高だわ。

んなわけで、とってもポップでチェリーでロックな文章になる観込み。
posted by 井川広太郎 at 21:58| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2004年11月29日

打ち合わせ

image/lostintokyo-2004-11-29T22:12:22-1.jpg福島亭で打合。内容は、まだ内緒。
posted by 井川広太郎 at 22:12| 東京 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 東京失格 | 更新情報をチェックする

2004年11月27日

今日のベルマーレ

Bellmare_s

J2リーグ第44節 11月27日(土) 14:00 平塚競技場
湘南ベルマーレ vs 水戸ホーリーホック
        2-0
       0 前半 0        
       2 後半 0
得点:1-0 坂本紘司(後14分)
得点:2-0 坂本紘司(後36分)

J2最終節終了!なんと10位!!なんか、やる気出るね。
来シーズンこそ、J1昇格だ!

と、その前に天皇杯を頂こう!

つーわけで、GO!GO!湘南!!GO!湘南!!
posted by 井川広太郎 at 22:06| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

新宿TSUTAYA

image/lostintokyo-2004-11-27T16:00:43-1.jpgあった!
posted by 井川広太郎 at 16:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2004年11月26日

「PRISM」「自由」全国発売&レンタル開始!

ついに今日、福島拓哉(タックンな)監督作品「PRISM」「自由」全国発売&レンタル開始!おめでとう御座います!

情報筋によるとレンタルは既に回転しまくりらしいっす。

マジでクリスマスのプレゼントには最適なアイテムだと思いますので、まず借りて観て、親愛な(もしくは親愛になりたい)人に贈るってのがオススメ。

褒めたところで何も貰えないんですが、正直、観ないと損する映画だってこと!

詳しくはP-kraftにGO!
posted by 井川広太郎 at 23:52| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2004年11月24日

P-kraft

タックンが所属することでお馴染みの、公私共にとってもお世話になっているP‐kraftのHPが大幅リニューアル!
相も変わらずオシャレなサイトですよ。

DVD全国発売など、止まることを知らない快進撃は要チェック!

P-kraft
posted by 井川広太郎 at 16:45| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2004年11月21日

SPICAスチル撮影by井川広太郎

image/lostintokyo-2004-11-21T16:18:06-1.jpg今日は白川幸司監督作品SPICAのスチル撮影。
タックンは昨日の優勝のテンションのまま、予想通りレッズの話題ばかり。
で、いまから総勢40人による打ち上げ。
posted by 井川広太郎 at 16:18| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2004年11月20日

REDS優勝 BY井川広太郎

おめでとう御座います。
いつかベルマーレにも、こういう日が・・・
来ないか。
まあ、来なくても良いの。
強かろうが、弱かろうが、
愛してるから、
存在し続ければ、どれで良いの。
でも、こんなに弱いと、それも心配。
今日も負けたさ。ああ、負けたさ!
でもさ、天皇杯は頑張るよ!
posted by 井川広太郎 at 22:24| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2004年11月19日

Fussa.TV

誘拐編のマドンナ、井上愛美選手がブロードバンド番組に出演中!

Fussa.TV http://fussa.tv/

1ch Parallel World Fussa.TV (パラフク)にて、パラレルドールとして活躍中!

面白かったよ。マジで。河童のやつ。

posted by 井川広太郎 at 12:44| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2004年11月18日

5nights&6days 3 一番長い日(後編)

10月01日金曜

21:00 「ラマン」上映

バンクーバーのダウンタウンの目抜き通りの一つがGranville通り。で、その中腹にあるシネマ・コンプレックスがGranville CINEMAである。スクリーンが8つぐらいある大劇場で、VIFFのメイン会場の一つだ。

そこで、廣木隆一監督「ラマン」の上映が行われる。大先輩の作品を拝見しようと、PFF、イメフォチームと一緒に白川監督と俺も劇場に集まる。ホテルから会場へは、わずかに数分だ。



劇場前に着くと、既に大勢の人が並び待っている。バンクーバーの人は本当に映画が好き。Granville CINEMA前には朝からこの時間まで、お目当ての作品を観る為の行列が途切れることがない。と、廣木監督、田口トモロヲさんを始め、関係者一同が談笑しているのが見える。恐る恐る近付くと、そこには通訳のポールさんの姿が!

ポールは2年前のバンクーバー来訪時に本当に御世話になった方で、今年も会えることを凄く楽しみにしていた。ポールは日本の映像ソフトをカナダ用に翻訳することを仕事にしており、2年前は「機動戦士ガンダム」を担当しているとのことで盛り上がった。で、現在は「プロジェクトX」をやっているとのことで、昨日は田口トモロヲさんと一緒に仕事をしたのだという。カナダでは日本の映像ソフトの需要がどんどん高まっているらしく、ポールも「仕事が多過ぎて断っている」状態であるという。それにしても、英語は勿論のこと、日本の昨今の事情にまで異常に詳しく、日本語のスラングやオヤジギャグすら完璧に使いこなすポールはまさに適任だと思う。

で、一同、お客様より一足早く会場に入る。我々が席に着いた頃には直ぐに開場され、会場は満員となる。トニー・レインズ氏による司会、通訳はポールが行い、廣木監督と田口トモロヲさんが挨拶をし、上映が開始される。

「ラマン」(2004/廣木隆一)
ほとんど人物も、時代も、背景も説明が無されない状況下で、3人の男と、彼等に“買われた”1人の少女の関係性が描かれていく。余分なものを一切排除した映像は、同時に多くの余白を生み出し、漫画的な想像力を観客に要求する。淡々と流れる作風は、アンチ・リアリズムとも言えるパッション先行型の独特の世界観を提示し、今後の日本映画の一つの可能性への示唆に富んでいたように思う。

上映後のティーチインでは、日本の風俗や文化などに鋭い質問が飛び交う。日本の観客はこの手の質疑応答が苦手だが、海外の観客は本当に真剣に話しかけてくる。面白い。廣木監督は真剣に、トモロヲさんは時にジョークを交えながらそれに応え、会場はおお盛り上がりだった。

ティーチイン終了後、未だに観客に捕まる廣木監督、トモロヲさんを囲みながら、ロビーに関係者が集まる。そこに、またまた懐かしい顔が! ポールと同じく2年前に無茶苦茶お世話になった通訳の久美子さんである。仕事で上映には間に合わなかったらしいのだが、会えて何より。再会を喜ぶ。今年はイメフォチームの担当らしい。こうして、お世話になった方々に再び会えると、映画祭って良いなあ、俺達頑張ったんだなあ、また来たいなあと思う。

で、関係者一同で会食とのこと。ご相伴に預かって宜しいんですか!? 少しずうずうしいとも思いつつ、こんな機会滅多に無いので恥を偲んで同行させて頂く。

23:00 会食

場所は中華料理屋。トニーの行き付けの店だ。廣木監督、トモロヲさん、そしてラマンのプロデューサーの方々と一緒に、白川監督、イメフォチーム、通訳の人達も同席させて頂き、計10数名。恐る恐る自己紹介などしつつ、酒に食事に舌鼓を打つ。この店で一番驚いたのは、白米がオカズの一種として大皿に盛られて出されたこと。それ以外は特に変わった点は無く、皆、美味しそうに食べる。



店内喫煙は禁物の国。スモーカーは代わる代わる表に出て、ヤニを食らう。食事は食べ尽くし、酒もかなり進んだ頃、珍しく酔った表情でトニー登場。「そんなに呑んで!映画祭が潰れちゃうよ!君らはウワバミか!?」なんてことをご機嫌な調子で言いながら、ジョークを言いまくるトニー。「こないだ日本でタケシサンが日本の三つの悪習を教えると言ってきたヨ。まず1つ目がキャバクラ。なんで高い金を払ってこっちが女の子のご機嫌を気にして接待しなきゃならないんだ!?」一同爆笑。俺が、残りの二つはなんなんすかと聞くと「怖くてそれ以上は断ったヨ」一同爆笑。

隣の部屋では韓国の映画人達が同じく呑んだくれているらしい。奴らの調子が気になるから、ちょいとお暇と去るトニー。それにしても呑み過ぎたかなと一同少し反省。ま、後の祭なのだけれど。しかし日本ではなかなか得られない出会いや機会を海外映画祭では得られる。廣木監督やトモロヲさんと同席させて頂くことなど、なかなか出来ない。それだけで来た甲斐があるというものだ。

27:00 寝る

ま今日はこの辺で勘弁したるわいという調子で解散し、ホテルに戻ると、とっくに日付が変わっている。あ、そう。こうしてやっと、バンクーバーでの初日、40時間以上、3カ国に渡る長い長い1日が終る。これでも、まだ遊び足りないのだが、明日は明日で楽しいことがテンコ盛りなのだ。

posted by 井川広太郎 at 23:11| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | バンクーバー旅行記2004 | 更新情報をチェックする

2004年11月16日

5nights&6days 2 一番長い日(中編)

10月01日金曜

17:00 バンクーバー着

久々に訪れたバンクーバー国際空港は、俺の記憶と少し違っていた。やたらとだだっ広い空港だと思っていたのだが、その空間を埋めるかのように異常に大きく、そして陽気なモニュメントが置かれていたのだ。というより、そびえ立っているという方が正確か。なんでもバンクーバーの観光シンボルはトーテムポールらしい。巨大な目玉を持つ極彩色の鳥だか巨人達のあまりにも陽気な歓迎に些か驚く。

到着ロビーに通訳と送迎の人が待っていた。のだが、少し人数が多い。なんでも、我々とは別に白川監督と井川が来るはずだという。だから、それ俺達じゃん。まさか、我々2人の為に車を2台用意したわけでも有るまいし。結局、向こうの手違いであるということにして、皆で仲良く市街に向う。

車内にて飛行機が遅れていた旨謝罪すると、火山は大丈夫でしたかと聞かれる。そんなこと全く知らなかった我々は逆に驚く。着いてしまえばどうってことないのだが、待っていた方々は心配で気が気でなかったらしい。5泊の滞在の予定などを話しているうちに市街が見えてくる。空港からバンクーバー市街のダウンタウンへは閑静な住宅街を抜けて直ぐ。車で僅かに30分程度。懐かしい街並は少し、高層ビルが増えた様に思う。通訳のエミさんに聞くと、最近バンクーバーの人口は増え続けているのだと言う。あんな素敵な街なのだから、それも致し方ない。

17:30 ホテル着

目抜き通りの直ぐ側のホテルに宿泊するとのこと。すぐにでも映画祭事務局に行く必要があるのだが、とりあえず荷物を置く為、先にチェックインを済ますことにする。

大きくはないが綺麗で頑丈な造りのホテルで安心。以前、某国でヒドイ目にあったことがあるのだが、そんな時、外国からの観光客を迎え入れているホテルはとっても頼りになることを知った。彼等にとっては評判が第一であることは言わずもがな、外貨を稼いでいるホテルは国との付合いも良好なのだ。言わば、大使館のようなもの。ちょっとした街のチンピラもその手のホテルに逃げ込めば、決して手出しは出来ない。なんで、海外では安宿やモーテル等ではなく、少し高くとも海外からの客をターゲットにしたホテルに泊まるようにしている。

そんな俺から見ても安心なホテルで、いざチェックインしようとするとトラブル発生。なんと予約がなされていないというのだ。んなわけないわいと交渉を通訳に任せ、只管待つこと30分。火山で遅刻したために、予約が解除されていたとのこと。んなケチ臭いこと言わないでも良いのに… まあ、部屋を確保さえすればそれで良いのだが、なんと禁煙の部屋を割り当てられる。そういう事態は避けようと、俺は日本から「どんな部屋でも良いが喫煙で!」と少なくとも3回はメールしたのに… 我々を対応したのは巨漢のボーイ。直接彼と交渉したのは通訳だが、そのボーイの仕草や口調を見聞きしていると、どうも嫌がらせの気配を俺は感じた。

18:30 本部着

禁煙の部屋に荷物を置き、映画祭の事務局本部に向う。2年前と同じく、ダウンタウンの中央に位置する巨大なホテルの一室が、バンクーバー国際映画祭(Vancouver International Film Festival =VIFF)に用意されていた。

事務局で映画祭プロデューサーやゲスト・コーディネーターの方々に挨拶し、改めて日程などを聞く。まあ、疲れているし、複雑でとても覚えられたもんじゃないのだが。で、お待ち兼ねのプレゼントを頂く。お約束の映画祭パンフレットに始まり、Tシャツ(カナダサイズでのXLなのでパジャマにしかならない)、ピンバッジ、お菓子やスポンサーのグッズなど沢山頂いた。わーい、わーい。

Nov16_1855.bmp

と、事務室の奥からずるずると椅子を引きずりながら大男が出てくる。彼、トニー・レインズ氏はVIFFのプログラマーで、アジア映画を欧米各国に紹介することが高く評価されている映画評論家。北野武監督を世界に知らせしめた功績でも有名な、我々が最も頼りにする方だ。で、トニーと久々の再会。「やあやあ!お二方!ごめん今日はちょっと疲れているんだ。また、ゆっくり話そう」と椅子に沈みそうになりながら笑顔で迎えてくれる。この人は会う度に疲れていると言う。まあ、実際、世界中を飛び回る超多忙な方なのだが。

で、事務室を出て、レセプション・ルームに向う。そこには我々より先にバンクーバー入りしていた日本人の映画作家達がいた。彼等は、ぴあフィルムフェスティバル(PFF)とイメージフォーラムフェスティバル(略称イメホ)の入賞作家らしい。年も近いので皆でわいわいと話す。彼等は数日前にバンクーバー入りし、あと1〜2日で日本に帰国するらしい。で、これから廣木隆一監督「ラマン」のスクリーニングがあるので皆で一緒に観に行こうということになる。

19:30 ホテルに戻る

流石に疲れが出てきたので白川監督と共に一旦、ホテルに戻って休む。荷物を片付け、お土産を開く。落ちついた雰囲気で、広さは勿論、日本のホテルとは訳が違う。バスルームも充実。禁煙ということ以外、ケチの付けようが無い。窓から見下ろすと、目抜き通りの賑やかさが伺える。これから5日間、この部屋に寝泊りする。
posted by 井川広太郎 at 23:28| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | バンクーバー旅行記2004 | 更新情報をチェックする

2004年11月14日

ロスト・イン・トランスレーション

LOST IN TRANSLATION (2003/SOFIA COPPOLA)

ゴールデングローブ賞 主要3部門 受賞
アカデミー賞 オリジナル脚本賞 受賞
世界中を魅了した“トーキョーのロマンス”
ひとときの恋心は、永遠の想い出に変わる

12.3 DVD ON SALE


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なんで今更…という理由は単純。
早稲田松竹で11/13〜11/26の間、上映しているから。

早稲田松竹のWEBサイトのアドレスは、既出エントリー「名画座」に書いてあるので、“SEARCH”で“名画座”というキーワードをサイト内検索する、若しくは、“CATEGORIES”の“映画REVIEW” から探して下さい。

で、この映画、観たのは劇場公開するさらに前のこと。当時の印象は、概ね面白いのだけれどラストが感傷的なのが嫌という感じだった。
スチルの技法を洒落た、被写体を突き放したFIXの映像は、必要以上の感情表現も感情移入も避け、ストイックに孤独を演出して行く。ええじゃないか。と思っていたら、ラストは急転直下のラヴ・ロマンス。なんか監督の妄想を押しつけられた様で引いた。

この映画が俺の中で記憶に残る映画になったのはバンクーバー滞在中のこと。バンクーバーにて俺は“ロスト・イン・トランスレーション”を体験することになる。
この映画でのそれとは勿論、同じものではないのだけれど、ああ、これかと思ってしまった。
少しもロマンチックではないのだが、サバサバした救い難い孤独感は全くそれであった。

連載開始した「5Nights&6Days」にそのシュチュエーションが出てくるので、お楽しみに。
posted by 井川広太郎 at 15:07| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2004年11月11日

5nights&6days 1 一番長い日(前編)

10月01日金曜

13:30(日本時間) 白川監督と待ち合わせ 

いよいよバンクーバーへと旅立つ日。昼過ぎに白川監督と新宿西口で待ち合わせる。お互いにジャケット着用の上、肩掛け鞄一つという軽装。海外慣れすると荷物は軽く小さくなる。まあ、我々が行くのは国際映画祭を開くような大都市ばかりなので何一つ不自由することなく、当然なのだが。その割には白川監督は、最後の東京だなんて縁起の悪いことばかり言う。
成田への電車内は憂鬱。海外に行く時はいつも、浮かれ気分を成田への道中で最悪のものに変えられてしまう。世界中で、成田が一番遠い都市に感じる。

17:55(日本時間) 成田発 

ここまで来てトラブルは避けたい。何せ陸の孤島だから。前回、成田で持ち物検査をした時、アーミーナイフは機内持ち込み禁止と言われ、自宅に郵送したことがあった。スイスで買った名前入りのお気に入りの一品であり、海外に行く際は毎度持ち歩いていたものなのだが、年々、出国の検査は厳しくなる。今回は特に問題もなく完了。安心して外貨両替などをしていたら、場内アナウンスで呼び出される。まさか…と慌てて引き返すと、大事な書類が入ったファイルを発券カウンターに置き忘れていた。その中にはバンクーバーでの重要な連絡先一覧や帰りの飛行機の予約券が入っていた。おいおい!大丈夫か、俺。そう言えば、2年前にバンクーバーに行った際は搭乗券を空港内で無くしたりしたっけ。

日本とは暫しの別れ。食事をしたり、用も無いのに本屋の行ったり、掛かって来た電話に一喜一憂したり。なによりも寂しいのは煙草と別れなければならないこと。正確には、飛行機の中でも飛行場でも彼を肌身離さず持っているのだが、口にすることは出来ない。今生の別れとばかりに深く味わう。



飛行機の中では煙草を吸えない苦痛を、外に行けない憂鬱を忘れるために、食いまくり、呑みまくり、そして寝る。フライトは約8時間。目的地と日本との時差は17時間。毎度のことだけど、日付変更線を超えるという行為は否応無しに妄想と哲学と感動を生む。国境を超えるという概念が希薄な島国の人間には、日付変更線は地球に描かれた唯一のロマン。時差ボケ防止の為に、飛行機内でコントロールすることには慣れている。今日はとっても長い1日になるはずだ。ともすると無意識の内に共通概念だと思い込んでいる昨日、今日、明日という言葉のダイナミズムを夢想する。太陽への反逆。と、横を見るまでもなく、白川監督は赤子のように只管寝まくっている。逆時差ボケになったりはしないのであろうか。機内で何本か映画を観たが、どれも面白くは無かった。

11:30(現地時間) サンフランシスコ着 

飛行機の乗り継ぎ地点であるサンフランシスコに着いたのは昼前。格安チケットの恩恵で、意図せぬ見知らぬ土地に行けるのは楽しい。サンフランシスコ出身、あるいは在住経験のある友人は多いが、俺は滞在したことはない。聞く話によると、とても自由な雰囲気で、美しい街だそうだ。上空から伺えた景色は、確かに魅力的だった。
それにしても飛行場の中は時刻感覚が狂う。異様な広さと、均一な光線と、漠然とした音は、いつ何時、どの国でも変わらない。時差ぼけの発生原因の一つは、飛行場の時間感覚の無さなのではないかと疑う。

ここはアメリカなので当然、喫煙所があったりはしない。なんで、只管食いまくる。アメリカ・サイズのサンドイッチは、見た目だけじゃなく味もビッグ!なんてことを久々に実感した。つーか、逆に日本のサンドイッチは“おにぎり基準”で日本人向けに改良されたものなんだろう。どちらにしろ、両手で抱え、具がこぼれるのを必死に防ぎながら食べるのはシンドイ。成田で買った禁煙パイポみたいなハッカ味のプラスチック筒を人目を憚りながら咥える。

ここで我々の迂闊さに気付かされる。空港内の至る所にLANケーブルが配線されており、出来るビジネスマン風の人で無くとも、気軽にノートPCでネットに接続している。矢張り、日本のネット環境は遅れていたのか。PC持ってくれば、もっと気軽に色々出来たのにと後悔。見掛けるPCが全てhp製であることにも驚かされた。結局、道中でMacは1台しか見掛けなかった。

あとさ、携帯の利用に関してとっても大らか。皆、空港内は勿論、どこでも堂々と携帯電話で話している。元々、話す事が重要な文化なのだから当然かもしれないが、特に出来るビジネスマン風の人はイヤホン型のマイクを多用していて、「誰としゃべってんの?」と何度もビックリさせられた。

で、バンクーバー行きの飛行機を待つ。本来は2時間弱のはずだったのだが、やたらと遅れる。最初のアナウンスではちょっと遅れるって感じだったのに、次第に10分ぐらい、30分ぐらい1時間以上と長くなっていく。どうなってんの?と聞いても埒が空かないので、これ幸いとばかりに早速寝入る白川監督を横目に只管待つ。結局、3時間近く待たされた。後で聞いた話だが、何でもサンフランシスコ近辺の火山が噴火したとかで、飛行機の到着が遅れたらしい。知らぬが仏とは、まさにこのこと。そんなこと分かっていたら、飛行機に乗るのが怖くなっていたに違いない。

14:45 サンフランシスコ発 

西海岸のサンフランシスコから、同じく西海岸にあるバンクーバーへはほとんど国内線のノリ。成田から乗ったジャンボジェットに比べると頼りない小型の、いわゆるペンシル型の飛行機での2時間程度のフライト。あっちゅう間に雲の上に来たかと思ったら直ぐ、眼下に懐かしい2年ぶりに訪れる美しい街の姿が見え始めた。
posted by 井川広太郎 at 23:43| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | バンクーバー旅行記2004 | 更新情報をチェックする

2004年11月07日

実は色々動いています BY井川広太郎

水面下でね。

SPICAがクランクアップしたんで、いよいよ具体的な動きに繋げようかとも思っています。キーワードは「リアル」!しかし年内に先に片付けなきゃいけない問題が山積み・・・

ところで予告編動画のサーバー変えました。つーか、直リンクしないで、このページにリンク貼って下さいね。
posted by 井川広太郎 at 16:52| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京失格 | 更新情報をチェックする