2007年09月27日

ヴィーナス

ヴィーナス 原題:VENUS/2006年/イギリス/95分/配給:ヘキサゴン・ピクチャーズ=シナジー

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『ノッティングヒルの恋人』や『Jの悲劇』などで世界的な注目を集める、イギリス映画界の匠ロジャー・ミッシェルが名優ピーター・オトゥールを擁して紡ぎだす、ロマンチックでおかしく、愛しさにみちた人間讃歌。生きていることの哀歓、無常、切なさをリアルな映像のなかに散りばめながら、どんなかたちでも人と人との絆が培えることを美しく謳いあげていく。高年齢化社会を迎えた現代にふさわしい、大人のヒューマン・ドラマだ。
 「アラビアのロレンス」以来8度のアカデミー主演男優賞にノミネートされたピーター・オトゥールが、老境の孤独と悲哀、人生の諦観と生(性)の執着を圧倒的な表現力で演じている。

若い頃はもてはやされ、女性とのさまざま浮名を流した俳優のモーリスも、もはや70歳代。成功したはずの俳優の仕事も最近まわってくるのは死体の役や脇役ばかりで、俳優仲間のイアンと“お迎え”を待つ日々を送っている。そんな彼がイアンの姪の娘ジェシーをみてときめいた。下品で無作法であってもこの若さの輝き、肌の張り。彼女こそわがヴィーナス、残りの人生を充実させてくれる生き甲斐だ。かくして、モーリスは邪険にされても相手にされなくても、なんのその。あらゆる手練手管を駆使してヴィーナスにアプローチ、彼女の“生の煌き”になんとか触れようとする……。

監督 ロジャー・ミッシェル
出演 ピーター・オトゥール/レスリー・フィリップス/ジョディ・ウィッテカー/リチャード・グリフィス

10月27日(土)シャンテシネほか全国にて順次公開
作品公式サイト http://www.venus-cinema.com/


面白かったです。素敵な映画でした。

平たく言うと、老いぼれジジイがピチピチの女子にハッスルするっていうだけの話なのだが、実はかなりシリアスな状況だったりもする。

しかし、全く悲壮感がない。

寧ろ、そういった悲劇的な状況をも「生きること」で乗り越えてしまう逞しさと言うか、長生きしてこその生きる術の巧みさと言おうか、死ぬことも余裕で受け入れつつ生きることをエンジョイしている様、つまりはそういったlive through thisがこの映画のモチーフであってドラマツルギーなのだとも思う。

映画そのものも飽くまでコメディ(喜劇)として描くことに徹して、非常にふくよかな懐の深さを見せ、なんつーか、敢えて当たり障りのない演出に仕上げているのが素晴らしい。

言うまでもなく、そういった自然な演出に仕上げるっていうのは非常に技術がいることで、例えば危うく深刻になりそうなシーンで対位法すれすれの軽やかなBGMでさり気なく展開してみせたりする辺りは、映画的な表現の充実感をヒシヒシと感じた。音楽が良かったです。

生きる為の術という意味では、実はこのじーさんは自分自身をも騙していると俺は思うのだが、それが出来ちゃうのは彼が役者だからと解釈すべきなのだろうが、だとしたら馬鹿正直にしか生きられない若者に演じるという生き様を見せつけたという寓話なのかもしれない、といま思った。じーさんカッコイイ。

というわけで、オモロい映画でした。

こういう映画を観ると、色んな意味で安心します。
posted by 井川広太郎 at 01:35| Comment(0) | TrackBack(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする

2007年09月24日

続・ソウル旅行の2

『東京失格』の上映 DSCN1104.JPG

『東京失格』の上映は2回行われた。
しかし、この上映の2日間だけ雨が降るという悪条件!なんたる不運!
にも関わらず、有り難いことに多数のお客様が来て下さった。
先のCinDIでも『東京失格』を観たというリピーターのお客様もいて、ソウルで2回目の上映という感慨もひとしお。

つい最近完成したというロッテシネマだけあって、劇場の設備がすこぶる良い。
2回とも200ほどの座席があるスクリーン1での上映だったが、こんな素敵な環境で上映されるなんてなんとも嬉しい。

何よりも驚いたのがそれぞれの上映後に行われた2回のGV(ゲスト・ヴィジット=監督との質疑応答)。
映画祭スタッフに「東京失格のGVに関する問い合わせがネットや電話で多数寄せられている」と聞かされていたのだが、実際にGVに臨んで納得。
上映後、俺が挨拶すると直ぐに多くの人が挙手して、ガシガシ質問してくる。
先のCinDiでは立ち上がりが遅かったのだが、今回はGVの時間が短いせいもあるのかもしれない。
ともかく、こっちが返答に困ってしまうようなディープな質問が次々と飛んでくる。
2回ともアツイ、とっても熱気ムンムンのGVでした。

ただ単に観客とコミュニケーションすることが出来るというだけではなく、俺にとってGVは、『東京失格』という映画に再び出会うような興奮をもたらしてくれる。
俺にとっては2年前に撮影し、1年前に世に出した作品ではあるが、目の前の観客にとっては観たてホヤホヤなわけで、つまり彼等にとってはその映画はたったいま生まれたばかりなのであり、そういった新鮮な反応と向き合っていると、自分も脚本や現場や編集であの映画とダイレクトに接していた時のような熱い感情が蘇ってくるし、さらに今までとは違う見方をされることで、映画もどんどん豊かになり、俺のこれからの映画にも反映すると思う。

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ちなみに、この映画祭では毎日、日報という形で1日前の映画祭の出来事とその日のスケジュールなどを印字し配布しているのだが、一回目の上映翌日の9月15日号には、表紙に『東京失格』の写真が掲載され、内面にはGVでの質疑応答が詳しく掲載されていました。
posted by 井川広太郎 at 20:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 続・ソウル旅行記2007 | 更新情報をチェックする

2007年09月22日

続・ソウル旅行の1

ソウル国際映画祭について 200720senef20poster(low).JP.jpg

ソウル国際映画祭は、今回で8回目のまだまだ新しい映画祭。
しかし、そのポリシーは至って明確。
「ソウルの人々に世界中の最新で斬新な映画を見せる」

世界各国に多数ある映画祭にはそれぞれの意図や意義や独自の方向性があるのだが、このソウル国際映画祭の場合、世界の多様な映画を見るという意味ではまだ充実した環境が整っていないソウルにおいて、各国の映画祭で話題になった刺激的な作品ばかりをラインナップしている。

実にコンペ部門の作品は、カンヌやベルリン、ロッテルダムといった世界最高峰クラスの映画祭に出品や招待された作品ばかりを揃え、こういった映画をまとめてみる機会はソウルならずともそうそうあるものではない。

いわば「ソウルの観客の為の映画祭」であり、映画祭の在り方として非常に潔く貴重な場であると言える。

因に俺は期間中、諸事情によってあまり多くの作品を観られなかったのだが、アルゼンチン映画の『Tides』という作品が非常に素晴らしく、大満足でした。



映画祭の会場

映画祭の会場は建大入口という駅の前にある巨大な商業施設の中にあるロッテシネマ。
ロッテシネマ建大入口店は10スクリーンも備える巨大なシネコンで、その内のスクリーン1-3にて映画祭の上映を行っている。

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建大入口

建大入口は、ソウルの東端の江北に位置する街。
その名の通り、駅前には建国大学というデカイ大学がある。

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地下鉄が頭上を走るこの街はなかなか興味深く、大学周辺の学生街という雰囲気を保ちつつ、次々に建てられている高層ビルと、ファッションブランドと屋台が平行して並ぶ多数の商店街と、古い食堂や飲食店が無数にひしめき合う古い街並とが混在している。
街がドクドクと息衝いている感じがビンビンする。

因に、俺が宿泊していたホテルは、建大入口から漢江を渡った江南にある清潭。
先の映画祭があったアップジョンからもほど近い清潭は、韓国人曰く「金持ちの中の金持ちが住むエリア」らしい。

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posted by 井川広太郎 at 16:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 続・ソウル旅行記2007 | 更新情報をチェックする

2007年09月18日

ハンブルグ国際映画祭にて上映

『東京失格』がハンブルグ国際映画祭 15th FilmFest Hamburg 27.9.-4.10.07にて上映されます。Fahne_Filmfest_klein.jpg

上映は2007年9月29日(土)22時からのようです。

久々のヨーロッパで、ついにドイツ・プレミア上映です。

お近くの人はこの機会に是非、観に行ってください!
posted by 井川広太郎 at 14:34| Comment(6) | TrackBack(0) | 東京失格 | 更新情報をチェックする

2007年09月17日

帰国しました

とても楽しく充実した旅行でした。
また、ソウルに行きたいです。
posted by 井川広太郎 at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2007年09月12日

明日から再びソウル!

第8回ソウル国際映画祭 9月6-16日に参加するため、明日からまたソウルに行きます。

【上映日程】
9/14(金)17:00 @ロッテシネマ建大入口
9/16(日)13:30 @ロッテシネマ建大入口

こんなに早くソウルにまた行けるとは思わなかったけど、いよいよ明日からなのです。

CinDiで出会った人達と再会出来るのも楽しみです。

緊張しております!
posted by 井川広太郎 at 19:30| Comment(5) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

Lost in Seoul 20

7月28日(土)

09:00 起床

八晩過ごしたこのホテルともお別れ。
チェックアウトする。



10:00 ゲストラウンジ

ゲストラウンジに行くと、高橋さん、想田さんの他、何人かのゲストとスタッフがいる。
行き同様、帰りも金浦空港を使うのは俺だけなので、みんなとは別便。
最後のお別れをする。
また近い内に会いましょう!

アテンドのミョンチョルと最後に昼飯喰いにいこうとすると、スタッフがオススメの定食屋があるのでご一緒しようと誘ってくれる。



11:30 ランチ

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というわけでランチ。
辛いのを避けて注文してもらったのだが、物凄く美味しかったです。特に緑色のやつ。胡麻かな。
やっぱ帰国する日は、どうしたって切ないのですが、こうしてゆったりとした時間を過ごせて本当に良かったです。
ありがとう。



13:00 ホテルロビー

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映画祭実行委員長がお別れの挨拶をとのことなので、ホテルのロビーに戻る。
と、ロビーには中国のゲストのアテンドを務めたボランティアスタッフの女子が勢揃いしている。
何でも、中国の監督達は昨晩遅くまで呑んでいたのでなかなか起きて来ず、ここで待っているらしい。
映画祭実行委員長とお別れの挨拶。
本当に素晴らしい映画祭で、心行くまで満喫出来ました。
有り難う御座います。



13:30 キヒョン迎え

キヒョンが車で金浦空港まで送ってくれると、車を出してくれる。
忙しいだろうに、なんて良い奴なんだ!

スタッフ達とはここでお別れ。
ハグして再会を誓う。

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んなわけで、キヒョンの車でソウルを横断し、金浦空港に向かう。
リアルに『東京失格』な情景。
後部座席では英語が分からないミョンチョルが寝ているし!

キヒョンの現在構想中の作品についてなど、色々と語る。
その作品は非常に面白そうな企画で、いつか観られることが本当に楽しみ。



15:30 金浦空港

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金浦空港は国際空港から国内線を主とした空港に切り替えたので、使わなくなった広大な敷地をショッピングセンターとして利用している。
中に映画館があるのにはさすがにビビった。

俺はビア、彼等はジュースを飲みながら、最後のお別れ。
キヒョンは忙しい中、ミョンチョルも長い間、二人とも本当にありがとう。
また、直ぐに会おうぜ。



16:30 ソウル発

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搭乗口で飛行機を待ちながら、異様な孤独感に襲われる。

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機内食はまたカレー。

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ビア呑んでたら、眼下に日本がうっすら見えて来た。



19:00 羽田着

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といわけで羽田着。
東京、暑い。

映画祭旅行としては今までで一番長期の滞在だったけど、物凄く充実してあっという間だった気がする。

これにて、この旅行記も元ベルマーレの洪明甫の背番号20にて終了。

また、必ずソウルに還ってやる!!
posted by 井川広太郎 at 16:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ソウル旅行記2007 | 更新情報をチェックする

2007年09月11日

Lost in Seoul 19

7月27日(金)

09:00 起床

ゲストラウンジに行くとゲストは日本人しかいない。
一番遅くまで呑んでも朝一番に来るのがさすが日本人だと笑われる。



11:00 『Tuli : Circumcision』 CINDI_20070622150626.jpg

国際的にも評価の高いAuraeus SOLITO監督のフィリピン映画。
性と宗教と政治と歴史的な解釈を寓話的に描くのだが、妙に生々しい映像と、映画内映画的に芝居のシーンを組み込むなど骨太な構成とが独特の世界観を生み出している。



13:00 昼食

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高橋さん、想田さん、中江さんとそれぞれのアテンドとでランチに行く。
次の上映までに戻るつもりで早く食べれる店を探すが、昼時とあってどこも混み合っている。
仕方がないので普通の定食屋さんに入ると、出て来たのはとても早く食べられそうにもない熱くて辛いサムゲタン。
映画を観るのは諦め、ゆっくりと美味しくいただく。



16:00 東大門へ

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これから閉会式までは審査の時間に充てられており、上映はないし審査員やスタッフも出払っている。
一旦、ゲストラウンジに戻ってダラダラした後、せっかくなので東大門に行こうということになり、想田さん、中江さんとそれぞれのアテンドとでタクシーに分乗して向かう。



17:00 東大門市場

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この辺りはオシャレなデパートなどもあるが、俺の狙いは道なりに無数にある露店。

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少し歩くと野球場とサッカー場があり、サッカー場の中では蚤の市が開かれているらしい。

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中に入ると壮絶な数の露店がとても一日では回り切れないぐらいギッシリと並んでいる。
とりあえず、オモチャのキャラクター時計を購入。

疲れたので閉会式まで休むという想田さんと別れ、一応、東大門を拝みに行く。

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それからまた歩き、道すがらの露店を覗いたり、1000ウォンショップ(日本でいう百円均一店)に行ったり、お茶シバイて休んだり。

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18:30 戻る

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閉会式に出るため、タクシーに乗ってアップジョンに戻る。



19:00 閉会式

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閉会式が行われるのは、アップジョンCGVで一番デカイスクリーン。
ちびっ子の韓国伝統舞踊なども披露され、大盛り上がり。

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んで、授賞式では観客賞から発表され、自分の名前が呼ばれてビックリ。
テンパって、あんま良いスピーチが出来なかったことを反省しています。

この映画祭ではスタッフやボランティアによるホスピタリティが本当に素晴らしくて、我々ゲストも心行くまで映画を観て、多くの人と交流し、映画祭と街をエンジョイすることが出来た。
参加者の一人としてこんなに嬉しいことはないのに、その上で自分の作品がソウルの人達に気に入って頂けたなんて、映画監督としてこれほどの誇りはない。

因に、この時頂いたトロフィーはこの晩に映画祭に一旦預け、柄の部分に名前とタイトルを彫った後に東京へ送って頂きました。



21:00 クロージングパーティ

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というわけで、オシャレなクラブでクロージングパーティ。
ここはダンスフロア(女性歌手が生演奏で歌っていた)や多数のボックス席、ビリヤード台などもあって、韓国人曰く「渋谷風」と呼ばれているらしい。

佐藤さんを始め韓国で知り合った友人達も多数来てくれたし、色んな人達と語り、呑み、ビリヤードしたり踊ったり、騒ぐ。

あまりにも色んなことがありすぎて書き切れないが、物凄く楽しかった。

ともあれ、ハッチャケまくる俺。

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26:00 居酒屋

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クロージングパーティで出来る限りのことはしたという達成感に包まれ燃え尽き症候群気味にすっ飛んだ俺はちょいと記憶があやふやなのだが、クロージングパーティ終了後、誰かに連れられて居酒屋に来る。
その場には映画祭のスタッフが沢山いたから、その中の誰かに連れて来られたのだろうか。あ、中江さんもいた気がする。

と、目の前に『I am a Cyborg, but That's Okay』の撮影監督(もちろん『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』も撮影)であり今回の審査員の一人でもあったチョン・ジョンフンさんが目の前にいる。
ので、作品のことから韓国映画のこと、撮影のことなど色々とっぷりとお話を聞かせて頂く。
彼は酔っぱらいの俺のクドい質問にも非常に丁寧に応えてくれる、知的で真摯で優しく力強い、要するにカッコイイ人でした。
ありがとうございます。



28:00 寝る

燃え尽きると寝るのも怖くはないので泥のように眠る。

posted by 井川広太郎 at 18:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ソウル旅行記2007 | 更新情報をチェックする

2007年09月10日

Lost in Seoul 18

7月26日(木)後編

16:00 『Honor de Cavalleria』 CINDI_20070621170628.jpg

俺にとっては今回最大の発見。
といっても、カンヌでプレミア上映され世界各国の映画祭で受賞している超話題作。
若干31歳のスペインのアルバート・セーラ(Albert SERRA)監督の作品。
ドン・キホーテとサンチョ・パンサが旅するのではあるが、ほとんど物語も、まともな台詞も無い。
シーンごとにとてつもない長回しで描かれるのは、道端に座ってただダラダラする老人と体たらくの二人の姿であり、彼等のディスコミュニケーションであり、ゆっくりと流れる時間のみである。
しかし、それがまさに映画的な快楽を育む土壌となり、些細なアクションやちょっとした表情までもが緊張感漂う舞台となり、例えばもうろくジジイであるドン・キホーテが貧相な肉体で姦しくも湖に飛び込む時、とてつもない衝撃を生み出す。
まさにリュミエール的な「動く」というシンプルながら本質的な衝撃が溢れ飛び散り、笑わずにはいられない。
そして、言葉少ない台詞が、悠長な映像が、流れ積もる時間がいつの間にか哲学的な至高に達していることに気付いた時、我々は映画以外には有り得ぬ感動を目撃する。
セルバンテスがこれを観たらどう思うか。



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18:00 『選挙』GV

駆けて行って『選挙』のGVを覗く。
想田監督は勿論のこと、本日急遽「主演」の山さんがソウル入りしたとの情報をGETしていたので、これは見逃せない。
「笑撃」を期待して行ったのだが、さすがプレゼン上手の二人なので、会場全体がどっかんどっかんウケている。
すげー、勉強になる。
最後まで見ていたかったのだけれど、スタッフに促され取材に向かう。



18:30 MOVIEWEEK取材

韓国の週間映画雑誌MOVIEWEEKの取材。
場所は最寄りのオシャレなカフェ。

記者さんと読者取材班という一般の方との二人によるインタビューなのだが、二人とも既に『東京失格』を観てくれていて、かなり深い部分まで突っ込んで聞いてくれる。

あまりにもディープな部分まで関心を持って聞いてくれるので、俺は泣きそうになったりする。
それぐらい、あの映画は俺にとってパーソナルな作品なの。
と、同時に、こうして作品をちゃんと観て、興味を持ってくれて、より知りたいと思ってくれている人がいることが素直に嬉しかった。
相変わらず話下手な俺は一時間以上もかかってしまった。
詳しい紙面などはLost in Seoul 05。

で、インタビュー後は写真撮影。
俺はちゃんと「Bloc Party.」Tシャツに着替えて臨む!
が、実はこのカメラマンさんはファッション雑誌なども手掛けているらしく、撮られることに関しては全くの素人の我々に、異様にオシャレな要求ばかりする。
無理!と思いながら緊張しまくってポージングしていると、次に取材を受ける中江さんが後ろで冷やかし笑わそうとしたりする。
マジで困ります!

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撮影終了後、お返しとばかりにカメラマンさんを撮ったら、余裕でポーズを決めてみせる。さすが!



20:00 ゲストラウンジ

いやー、一仕事終えたとダラダラしている。
物凄く呑みたくなって、ドリンクメイトを探すも、生憎みな出払っていて誰もいない。
仕方が無いから独りで呑みに行く。



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21:00 コペンハーゲン

今夜が最後のCinDiアワーだっていうのに、誰もいない。
俺が早過ぎたのか。
ので、独りで寂しく呑んでいる。

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暫くすると、想田さんと山さんが来る。
ムビースターの山さんだ!と思って嬉々として記念撮影。
山さんは映画の通り、知的でフランクで繊細な人でカッコ良かったです。

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その後、ぞくぞくとゲストやスタッフが来る。
店内の大テーブルに陣取っていた我々のところに映画祭実行委員長が来て「外で呑もうぜ!」と誘う。

というわけで、店先のテーブルに一同揃って大騒ぐ。
色んな人達とどっぷり話せて、本当に楽しかった。



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26:30 ソルロンタン

高橋さん、想田さん、中江さんなどと韓国料理のソルロンタンを食べに行く。
牛の肉や骨を煮込んだスープ料理で、『東京失格』を観た何人かの韓国人が「韓国では酒の後にこれを食べます!」と教えてくれた。
日本人のラーメンほどには酒の後の定番という訳ではないらしいが、最もポピュラーな韓国料理の一つである。



27:30 寝る

やべえ、明日は最後の夜だ。
どうする!?俺!!
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2007年09月09日

Lost in Seoul 17

7月26日(木)前編

08:00 起床

さすがに疲れたのか、目が覚めてからもしばらく起き上がる気にならず、そのままベッドの上でTVなどを見ている。
リモコンって便利だなと思う。



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10:00 ゲストラウンジ

観たい映画のチケットを貰い、その後に打ち合わせなど。
ゲストラウンジにはこないだのパーティでの写真も既に飾られている。



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11:00 『東京失格』2回目の上映

というわけでCinDI2007での『東京失格』2回目の上映。
平日の午前にも関わらず、結構な数のお客様が観に来てくれて一安心。

今回はGVは無く、上映前の舞台挨拶のみ。
なので、上映後にロビーにいるので気軽に声を掛けて下さいと言った。



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11:30 KGB

なんかそわそわするし、上映は見ないで外で待っていることにする。

コンビニで買ったKGBはウォッカのグレープフルーツ割り。
赤いボトルに金の星が施されたKGBを呑みながらダラダラしている。

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ゲストラウンジに行くと、ゲストの監督達やボランティア達がいたので一緒に記念撮影。
この頃はもう、それぞれ帰国が近いせいか、顔を合わす度に写真を撮り合っていた。

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12:30 上映後

『東京失格』の上映後、劇場のロビーに行くと、多くの方が声を掛け感想などを言って下さる。
好評だったようで良かった。
この上映で見てくれた香港、シンガポール、中国のゲストの監督達とも一緒に記念撮影。
3人ともスゴく気に入ってくれてて嬉しい!



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13:00 コリアンバーベキュー

上映を観に来てくれたミュージシャンの佐藤行衛さん、アテンドのミョンチョル、それと観に来てくれたお客さんなどでコリアンバーベキュー屋さんに行く。
佐藤さんやミョンチョルが選んで注文してくれるので確かに美味いが、しっかし量が多い!
いやー、それにしても一仕事終えてのビールは格別ですな。



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15:00 取材なし

雑誌の取材が15時30分からあるとのことでミョンチョルに連れられ指定場所に向かう。
道すがら、先に取材を受けていた想田さんに偶然会うと、想田さんは手にしていたポラを見せ「こんなポーズ付けられちゃった!」と笑う。
そんなバッチし写真を撮られるなら、俺もオシャレなTシャツを着てくれば良かったとちょっと後悔する。

取材場所は明日のクロージングパーティが行われるクラブ。
すげーゴージャスでカッコイイ。

中に入ると、なぜかスタッフが俺に平謝りする。
どうやら、俺の取材は18時30分からだったのが、何かの手違いで間違って伝わっていたらしい。
俺はTシャツを着替える時間が出来たので、むしろラッキーって感じ。
posted by 井川広太郎 at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | ソウル旅行記2007 | 更新情報をチェックする

2007年09月07日

Lost in Seoul 16

7月25日(水)

09:30 起床

目覚めると「もう、あと数日か」と切なくなるので、居ても立ってもいられず映画祭会場近辺を撮っている。

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11:00 『Losing Ahmad』 CINDI_200706211606521.jpg

クエートのAbdullah BOUSHAHRIの監督作品。
アメリカの爆撃によって視力と片腕を失ったバグダットの少年を、4人のアメリカ人がクエート経由でニューヨークに連れて行き治療するのを追ったドキュメンタリー。
まさに撮影中にも様々な思惑が働いてくる様子が映し出され、本来の目的である1人の少年を救おうとすること、そしてドキュメンタリーを撮ること自体から全てがズレてゆく。



12:10 ゲストラウンジ

コーヒー飲みながら、すっかり仲良くなったスタッフ達と楽しく過ごしている。



13:30 『Feet Unbound』 CINDI_20070702140749.jpg

長征の道筋を辿る北京の女性ジャーナリストのドキュメンタリー。
実際に長征に参加した女性へのインタビューなどを繰り返し、厳しい自然環境に打ちのめされながらもその道を車や徒歩で辿る彼女は、次第に自分の人生をも重ね合わせてゆく。



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15:00 寿司

アテンドのミョンチョルを誘って寿司を食しにロデオ通りに行く。

一見、オシャレなカフェ、内装もオシャレなカフェ。
ここでもビールが無かったらどうしようかと思ったけど、ちゃんとあって安心。

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予想通り、握り以外にも見たこともないロールが沢山出てくる。
しかし、喰ってみるとどれも個性的で面白く意外にイケる。
寿司という日本の文化が、諸国の食文化と融合し、新たな味になってゆくという事実に感動。

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ところで、この店はよく見てみると「日本&アメリカ料理、ロールと寿司、ワインと酒」と書かれていた。

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帰りは遠回りして散歩。
写真館は、それぞれの国のポートレートの文化が露呈していて見ているだけで面白い。



18:30 『I am a Cyborg, but That's OkayCINDI_20070622220619.jpg

『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』のパク・チャヌク監督作品。
この映画祭には撮影監督のCHUNG Chung-hoonが来ていて、監督賞の審査員も務めている。
精神病院で、自分がサイボーグだと思い込む少女と、自分は何でも盗めると思い込んでいる少年が恋に落ちるというギャグ満載のファンタジー。



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20:00 キヒョンと呑む

やっと時間が取れたと連絡があったキヒョンと、キヒョンの友人で同じく映画監督のSung-hoonとの3人で呑む。
それぞれの近況や、今後の展望や、構想中の企画案など、どっぷり語り合う。
ちなみに店内ではアジアカップ準決勝韓国戦が流されていて、めちゃ盛り上がっていました。



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22:00 Life is Short, Drink harder...

高橋さんと中江さんが合流すると、キヒョンが良い店があるので移動しようと案内してくれる。
15分ほど歩いて行ったのは、オシャレなバー。
アップジョンには映画会社が多いのでキヒョンはこの辺で呑む機会が多いらしい。

5人でそれぞれの国の映画、映像業界については勿論、酒のつまみの下らぬ話などもして大いに盛り上がる。

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キヒョンが指差すので壁を見てみると「Life is Short, Drink harder...(人生は短い、大いに呑め)」と書かれている。
イカワはきっとこれを気に入るだろうからこのバーにしたんだとキヒョンは宣う。
俺がちょっとホロリとしていたら「でもイカワはLife is Short, Love harderの方が良いかもね!」と笑う。
余計なお世話だと思います!



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25:00 ホテルに戻る

もっと呑んでいたかったのだけれど、皆疲れているし、明日は自分の上映もあるので解散。
遅くまでありがとう。
帰り道、警察のマスコットらしき何かを発見!



26:00 寝る
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2007年09月05日

Lost in Seoul 15

7月24日(火)

09:30 起床

映画祭も後半に突入。
もう半分も過ぎたのかと思うと、疲れたとか言っている場合ではない。



10:00 ゲストラウンジ

今日鑑賞予定のチケットを貰い、スケジュールの確認などをし、コーヒー飲みながら皆でくつろいでいると、想田和弘監督がやってくる。
選挙』の監督である想田さんはニューヨーク在住で、はるばる太平洋を渡ってソウル入り。
俺は『選挙』を日本で観ていて大変に面白かったので、今回想田さんにお会い出来るのを楽しみにしていたのだが、想像以上に笑顔が素敵なとってもナイスガイ。
はじめまして。



11:00 『The Last Lumberjacks』 CINDI_20070621160635.jpg

結果的に監督賞、批評家賞をダブル受賞した中国のYU Guangyiの映画を観に行く。
中国の雪深い山奥で木こりとして生活する人々のドキュメンタリー。
車も通れぬ雪山(っつーか崖)でひたすら馬ぞりを列なし木材を運ぶ様は、民族大移動のような凄まじい迫力で、まさに生死隣合せの過酷さ。
真に自然と共生する彼等の日常に寄り添い、その上で映像が非常に美しく丁寧で、その生き様には悲壮感はなく、むしろ神々しさすら漂う。



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12:30 ランチ

想田さん、高橋さんとアテンドの皆でランチに行く。
ここはスタッフの間でも美味しいと話題の定食屋らしい。
実際、店内には映画祭スタッフも多数いて昼時ということもあり混み合っていた。
物凄く美味しかったのだけれど、何分、辛い!!



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14:30 ゲストラウンジ

ゲストラウンジには、映画祭期間中に撮られた写真が飾ってある。
それらを皆で見ていたら、いつの間にかそれぞれ撮ったり撮られたり、撮影会になっていた。
映画祭の半分を過ぎ、すっかり仲良くなったというのもあるし、別れが近付き寂しいのもあると思う。
ちなみに、一緒に写っているナイスガイはクエートのAbdullah BOUSHAHRI監督。

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16:00 『Three Men And A Bulb』 CINDI_20070621160622.jpg 

インドの山奥の小さな村で暮らす親子三代が、ギリギリの生活の中、電球をつけるための送電線を一生懸命作るという話。
どう見てもドキュメンタリーなのだが、最後の最後にトンでもないフィクションが待ち受けていた。
後に監督に聞いたら「フィクションかノンフィクションかという議論ではなく、私は単に映画を作ったのだ」と言ってのけた。
恐るべし!!



18:30 『People Crossing the River: From the Tama river to the Imjin river』 CINDI_20070622220622.jpg

撮影監督やドキュメンタリストとして活躍されてきたKIM Duk-chu監督の作品。
8年に及ぶ取材と2時間20分に渡る長尺で、日本を相手に訴訟する韓国人、日本で自分のルーツである祖国との歴史を演じ続ける女優、一方で朝鮮学校や韓国と積極的に交流してゆく日本人女子高校生、そして南北問題と、様々な歴史的問題を抱えつつ今を生きる人々を追い続けるドキュメンタリー。
特に、知らぬがゆえにボーダーを軽く超えて自ら知ろうとエネルギッシュに動く屈託のない女子高校生の姿に、未来への希望を感じました。



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21:00 CinDi Night

多くの映画祭は、オープニングとクロージングに大きなパーティがあるのと同時に丁度真ん中でもパーティを開催する。
この映画祭の場合が、このCinDi Night。
オシャレなバーに全てのゲストやスタッフが集まり、盛大なパーティ。

映画祭も半分を過ぎ、お互いの作品を既に観ていることが多いので、監督同志の会話も弾む。
気になった作品の監督には、ここぞとばかりに話しかけ、色々と聞き出す。

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そんな風にして盛り上がる最中、サプライズ・プレゼントが!
なんと、コンペ部門の20作品をそれぞれイラストにして、それぞれの監督達へ贈呈。
そんなこと聞いてないし!と思いつつ、自分の番が回ってきてそのイラストを手にして大興奮。
『東京失格』という映画の世界が一枚に収まっている!
嬉しいやら感動やらで、大はしゃぎしてしまいました。

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監督達と自分のイラストを比べて「俺の方が良い絵だ!」とか言い合いながら仲良く記念撮影。
その後も、監督や他のゲストやスタッフや、沢山の人と呑み語り、素晴らしいパーティでした。



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25:00 部屋呑み

CinDi Nightがあまりにも楽しかったせいか、高橋さん、中江さんとホテルの俺の部屋に集まり、屋台で買った餃子やおでんを喰いながら呑み続ける。



27:00 寝る

解散、そして寝る。
posted by 井川広太郎 at 23:22| Comment(4) | TrackBack(1) | ソウル旅行記2007 | 更新情報をチェックする

2007年09月04日

Lost in Seoul 14

7月23日(月)後編

18:00 『不完全なふたり』 poster.jpg

というわけで、この映画祭のコンペ部門の審査員でもある諏訪敦彦監督の『不完全なふたり』の上映。
邦題では『不完全なふたり』だが、原題(フランス語)で『Un Couple Parfait』で英題でも『Perfect Cupple』であって英仏では「完全なふたり」という意味。
諏訪さんの映画が好きで仕方がないのは俺だけでなく、今回の日本人ゲスト仲間である高橋さんも中江さんも一緒。昨日も3人でそれぞれの諏訪監督作品への思い入れを語り、誰が一番諏訪さんを好きかで言い合ったりしていた。



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20:00 デジタルレッスン 

んなわけで上映後は、諏訪監督によるデジタルレッスン(概ね質疑応答ありのトークショー)。
さすが韓国でも人気が非常に高く、会場は熱気ムンムン。
かなり突っ込んだ質問も飛び交うが、一つ一つ真摯に丁寧に応えてゆく。
非常に興味深い話ばかりだったのだが、その中でも、『M/OTHER』を観た時以来、俺もこういう映画を撮りたい、こういう演出をしたいと思い続けてきた「こういう」の部分を見事に言ってのけた一言に感動した。勿体ないから教えないけど。



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んなわけで、ちょっくら惚けてCGV内で色々と写真を撮っている。



21:30 『The Elephant and the Sea』 CINDI_20070702140705.jpg

結果的に監督賞、批評家賞をダブル受賞したマレーシアのMing Jin WOOの映画を観に行く。
彼とはロッテルダムで会っていてソウルで再会したのだが、作品を観るのは今回が初めて。
伝染病で静かに狂って行く街を、非常にドライな演出で見せてゆくファンタジー。
本人も言っていたけど北野武監督の『ソナチネ』が好きなようで、アジア諸国に共通する幸福な不条理を熱っぽくそして乾ききった演出で描く力強さ。



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23:00 コペンハーゲン 

今夜からCinDIアワーは、コペンハーゲンという居酒屋に移動。
ここは明るく広くオープンな店で、大人数で呑むのに適している。

中江さんと呑んでいたら、映画祭実行委員長が来てくれたので一緒にパシャリ。
他にも、バンンクーバーやロッテルダムでご一緒した韓国の監督なども来ていて、例によって楽しく呑み騒ぐ。



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25:00 Bloc party

中江さんとホテルに向かっていたら、コンビニ前でbloc partyしている映画祭スタッフに捕まる。
彼は日本語も英語も話せないのだが、身振り手振りで「いいから呑もうぜ!」と腕を掴んで笑顔で誘う。
中江さんはホテルに戻るが、俺は彼の餌食となり、深夜のbloc partyが始まる。

もう一人いた映画祭スタッフは英語が話せるので、日本語、英語、韓国語が入り乱れて呑み騒ぐ。
一本空けたので、さて帰るかと立ち上がると「俺が奢るからまだ呑もうぜ!」と身振り手振りで引き止める。
いやー、呑んでいれば言葉の壁なんて簡単に越えるんだと思い知らされました。
物凄く楽しかった。



27:30 寝る

ようやくホテルに辿り着く。
泥のように眠る。
posted by 井川広太郎 at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | ソウル旅行記2007 | 更新情報をチェックする

2007年09月02日

31回目の新しい人生

というわけで、昨日9月1日で31歳になってしまいました。

一年前の9月1日は『東京失格』の劇場公開楽日で、念願のデビューを果たしたという達成感と同時にこれからは今まで以上に大変なんだろうなあとボンヤリ思っていたのですが、実際にあれから一年が経って、想像していた以上に遥かに大変でした。

去年も同じようなことを言っていた気もするけど、疾走感の名残で漫然と過ごしていた一年が終わり、、、いや漫然とではないな、うーん・・・


疾走する勢いのまま遮二無二突き進んだこの一年間のお陰で、ようやく立ち止まり、振り返り、これから先のことを考える余裕が最近になってできてきたように思います。

多分、これからの一年は、新しい俺の人生をデザインする時間になるのではと思うし、そういう時間にしたいと思っています。


最近、人生とか人の命についてよく考えています。

なんとなく区切りになって、自分の人生について考えるきかっけになる誕生日は悪くないと思います。

よく分からないけど。

また、一年間、生き延びましょう。

ところで、俺にとって映画ってなんなのでしょう。
posted by 井川広太郎 at 17:34| Comment(10) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする