2010年11月30日

2010東京フィルメックス

2010東京フィルメックス/11th TOKYO FILMeX
個人的備忘録として鑑賞作品一覧(鑑賞順)

『ブンミおじさんの森』 Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives / LUNG BOONMEE RALUEK CHAT / タイ、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン / 2010 / 114分 / 監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン (Apichatpong WEERASETHAKUL) 提供:シネマライズ 配給:ムヴィオラ

『海上伝奇』 I Wish I Knew / 海上伝奇 / 中国、オランダ / 2010 / 118分 /監督:ジャ・ジャンクー (JIA Zhang-ke / 賈 樟柯)

『愛が訪れる時』 When Love Comes / 當愛來的時候 / 台湾 / 2010 / 108分 / 監督:チャン・ツォーチ (CHANG Tso chi)

『ミスター・ノーバディ』 Mr.Nobody / Mr.Nobody /フランス、ドイツ、ベルギー、カナダ / 2009 / 137分 / 監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル (Jaco VAN DORMAEL) 提供:アスミック・エース エンタテインメント 配給:アステア

『夏のない年』Year Without A Summer / Year Without A Summer / マレーシア / 2010 / 87分 /監督:タン・チュイムイ (TAN Chui Mui / 陳翠梅)

『密告者』The Stool Pigeon / 綫人 / 香港 / 2010 / 112分 /監督:ダンテ・ラム (Dante LAM / 林超賢)

『溝』 The Ditch / フランス / 2010 / 109分 / 監督:ワン・ビン(WANG Bing / 王兵)

『アンチ・ガス・スキン』Anti Gas Skin / 防毒皮/BANGDOKPI /韓国 / 2010 / 123分 / 監督:キム・ゴク、キム・ソン (KIM Gok / KIM Sun)

『トーマス、マオ』 Thomas Mao / 小東西 / 中国 / 2010 / 77分 /監督:チュウ・ウェン(ZHU Wen /朱文)

『Peace』 Peace / Peace / 日本、アメリカ / 2010 / 75分 /監督:想田和弘 (SODA Kazuhiro)

『トスカーナの贋作』 Certified Copy / Copie Conforme / フランス、イタリア / 2010 / 106分 / 監督:アッバス・キアロスタミ (Abbas KIAROSTAMI) 配給:ユーロスペース

『ビー・デビル』Bedeviled / 김복남 살인사건의 전말 / 韓国 / 2010 / 115分 /監督:チャン・チョルス (JANG Cheol-Soo / 장철수)

『ふゆの獣』 Love Addiction / ふゆのけもの / 日本 / 2010 / 92分 / 監督:内田伸輝 (UCHIDA Nobuteru)



アピチャッポンの『ブンミおじさんの森』は完璧に美しく素晴らしく面白いのだが、今までの作品からの激変には一ファンとして未だに動揺が収まらず、胸がドキドキし続けている。なので、来春、『ブンミおじさんの森』がアピチャッポンの作品としてようやく日本で初めて劇場公開されるという事実は驚きでありつつ、とても納得出来るし、なにより楽しみで仕方ない。

ワン・ビンの『』も圧倒的な面白さで面食らった。彼は全くどうかしている。知性と情熱と戦略とがとんでもなく自然に交じり合っていながら、それでもなお激しく息衝いている。映画が怒濤のように迫って来る一方で、しかし静かに遥か彼方に漂っているようでもある。類稀な作家だ。

トスカーナの贋作』に関しては、キアロスタミはやっぱりキアロスタミなのだ、という当たり前のことに少しでも疑問を感じたという事実に猛省を促しつつ、しかし同時にそんな恥ずべき過ちなど一瞬ですっかり忘れさせてしまうほど、異常なほどに痛快な面白さ。あの道に誘われて僕らはここまで来た。キアロスタミはやっぱりキアロスタミだったのだ。
posted by 井川広太郎 at 19:52| Comment(0) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2010年11月29日

黄金町映画祭スピンオフ

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ちょっと盛り沢山なので、整理して書いてみます!



福島拓哉監督作品『アワ・ブリーフ・エタニティ/OUR BRIEF ETERNITY』12/4(土)〜12/10(金)横浜シネマ ジャック&ベティで公開
<12/4(土)・12/5(日)> 17:10〜19:00
<12/6(月)〜12/10(金)> 19:30〜21:20

初日 12月4日(土)17時10分の回上映後の19時00分からトークショー開催!
ゲスト:
草野康太さん、福島拓哉監督、渡辺国寿(黄金町映画祭実行委員長)



期間中、12/4(土)と12/5(日)は、シネマ ジャック&ベティで黄金町映画祭スピンオフという上映&トークイベントも同時開催
(黄金町映画祭09で上映後に劇場公開された「ロックアウト」「Lost&Found」の2本を上映)

で、12月5日(日)19時からの「黄金町映画祭スピンオフトーク!」に井川も参加

「黄金町映画祭スピンオフトーク!」登壇者(予定)
三宅伸行監督(「Lost&Found」監督)
高橋康進監督(「ロックアウト」監督)
福島拓哉監督(「アワ・ブリーフ・エタニティ」監督、2008年映画祭上映作品「東京失格」出演・ラインプロデューサー)
井川広太郎監督(「アワ・ブリーフ・エタニティ」アソシエイト・プロデューサー、2008年映画祭上映作品「東京失格」監督)
中村高寛監督(2008年映画祭上映「ヨコハマメリー」監督)
渡辺国寿(黄金町映画祭実行委員長)



さらに、『ヨコハマメリー』(監督中村高寛/2005)手話弁士付き上映が、12/4(土)と12/5(日)にシネマ・ジャック&ベティで開催。

そして、「アワ・ブリーフ・エタニティ」横浜公開記念 草野康太×中村高寛 photo session「ヨコハマ・ブリーフ・エタニティ」(「アワ・ブリーフ・エタニティ」主演の草野康太さんと、「ヨコハマメリー」監督の中村高寛さんによる共同展示が劇場より徒歩1分のアート空間「似て非ワークス」で開催中/11月29日は定休日、12月4日(土)は他イベントのため入場不可)



という感じで詳細は劇場や会場に確認して欲しいのですが、祭なだけあって映画上映やトークイベントやインスタレーションなどがテンコなので、とりあえず4日と5日は横浜シネマ・ジャック&ベティに来ちゃえば良いと思います!お時間がある方は是非来て下さい!
posted by 井川広太郎 at 15:36| Comment(0) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2010年11月19日

After a storm comes a calm

今年は面白い映画があまり観られなかったなあと思い始めた11月になってから、急にやたらオモロい映画ばかりに当たっているのですが、その先駆けが『白いリボン』だったわけなのです。
何事も、最後まで諦めちゃいけないってことなんだと思います!

ところで、日常に溢れている音は、時代によって極端に違うと思うんです。
端的に言えば、電気も無い頃と、自動車が走り回り飛行機が空を割き室内は電化製品に囲まれた現代とでは、意識的にも無意識にも耳にしている音は全く異なるわけだから、同じ楽器で同じ曲を演奏したとしても、聞く音も聴いている音楽も根本的に別物だと思うんです。
そう考えると、もはや現代ではバッハもベートーベンもありのままには聴くことは出来ず、この機械の騒音と雑音とのどん底に沈んだままで、唯一レベル・ミュージックとして残されたエレキ・ミュージックを聞くことしか出来ないのではないかと絶望的になるんです。
しかし、それは決して悲観的なことではなく、それこそがモダンであって、コンテンポラリーであり、インプロビゼイションだと思うんです。
というようなことを、『白いリボン』を観ながら感じました。

バッハをもう聴くことが出来ないのかどうかは知らんけど、複製芸術以前と以降では、楽器を奏でること、音楽を聴くことの新鮮さは格段に違うだろうというのは分かる。
それは、ある日、音楽はライブ以外では聴いてはならない、というルールが出来たら、どんな日常になるのだろうかと想像してみれば納得できる。
勿論これはドグマ映画に対する言及などでは無く、ただ単に悲しい静かな夜の慰みに下手なオルガンを奏でてあげるという『白いリボン』のとても怖いシーンに嫉妬しただけなのである。
posted by 井川広太郎 at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2010年11月12日

映画『アワ・ブリーフ・エタニティ』上映館拡大

福島拓哉監督作品、映画『 アワ・ブリーフ・エタニティ/OUR BRIEF ETERNITY 』上映館拡大

横浜シネマ・ジャックアンドベティは、12/4(土)から10(金)
大阪、神戸、京都、広島など、公開続々決定!

■横浜 シネマ・ジャックアンドベティ 12月4日(土)- 12月10日(金)  
初日=12/4(土)と2日目=12/5(日)記念イベントを企画中です。また、新宿で好評を博している写真展も継続予定。
■大阪 第七藝術劇場 ⇒ 2011年 新春公開予定
■兵庫 神戸アートビレッジセンター ⇒ 近日予定    
■京都 京都みなみ会館 ⇒ 近日予定
■広島 横川シネマ ⇒ 近日予定

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新宿 K's cinemaでの上映は11月19日(金)まで

11月13日(土)21:00より東京御礼舞台挨拶
日時:11月13日(土)21:00-(上映前)
場所:新宿k's cinema
登壇予定者:川野弘毅、竹内茂訓、梅田絵理子、白神馨之、福島拓哉監督



全て詳細は『アワ・ブリーフ・エタニティ』公式サイト http://www.ourbriefeternity.com/
posted by 井川広太郎 at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2010年11月09日

白いリボン

白いリボン』英題:THE WHITE RIBBON/製作年:2009年/ドイツ・オーストリア・フランス・イタリア/上映時間:2時間25分/配給: ツイン

カンヌ国際映画祭パルムドール受賞

第一次世界大戦前夜。
北ドイツの小さな村を、数々の奇妙な事故が襲う。
やがて連なる”罰”の儀式…疑心暗鬼の村人たち、そして苦しむ子供たち。
この村に一体何が起こっているのか?



監督:ミヒャエル・ハネケ

作品公式サイト http://www.shiroi-ribon.com/

12月4日(土)銀座テアトルシネマにてお正月ロードショー


多分、俺、ファーストカットを観た時、リアルに「あっ!」って声を出しちゃってたと思う。
長い長いファーストカットの予想通り想像以上の衝撃に身も心も奪われてからは、一瞬も休むことなくサスペンスが連続し、息をつく暇すらない2時間25分。
面白い、面白すぎる。
さらに観賞後も余韻は生々しく実感を伴うほどに凄まじく、豊穣な映画体験に興奮が未だ醒め止まないのである。
posted by 井川広太郎 at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする