2010年12月16日

スプリング・フィーバー

こんにちは。

遅ればせながら、ロウ・イエ監督『スプリング・フィーバー』を渋谷シネマライズで観ました。

いやあ、素晴らしい!

その日はなぜだか朝から無性にドキドキして、なんだか『天使の涙』を同じくシネマライズに観に行った十数年前の日のことを思い出したりしていたのですが、つまりは、そういうことだったのです。

映画原体験にすら近い衝撃。

禁じられた愛に、行き場を失った激情が都市の間隙を疾走する。

僕らは、いつだってこういう映画を求めている。

街と、人と、時代がありのまま映っている。

そのために、勝手にしやがるんですよ、俺達は。



渋谷シネマライズでの上映は残念ながら明日17日金曜日までらしいですが、全国各地でも順次上映されるようです。

横浜だと我らがシネマ・ジャック&ベティで新年に上映するようです!

まるで音楽のように官能的だなあとウットリして観ていたら、まさにそういう映画なのだ!というシーンがあって、いやもう最高すぎて気絶しかけたわけですが、サントラ売ってないんですか?欲しい。もっそ!欲しいー!

映画最高!
posted by 井川広太郎 at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2010年12月04日

永遠と、もう一日

福島拓哉監督作品『アワ・ブリーフ・エタニティ/OUR BRIEF ETERNITY』横浜シネマ・ジャック&ベティ公開初日と、黄金町映画祭スピンオフ1日目、ともに無事終了。
御来場いただいた皆様、ありがとうございました。
個人的にもとても楽しめた一日でした。
上映作品は勿論、色んな映画の監督スタッフキャストやお客さんも、一緒に映画を楽しみ分かち合う雰囲気が、やっぱり映画祭独特だなあと感慨深く、感無量。

余韻に浸る暇も無く、続いて明日12月5日(日)は『アワ・ブリーフ・エタニティ』横浜公開2日目と、黄金町映画祭スピンオフ2日目、お時間がある方は是非いらして下さい!

同時開催中の中村高寛監督作品『ヨコハマメリー』手話弁士付き上映、「アワ・ブリーフ・エタニティ」横浜公開記念『アワ・ブリーフ・エタニティ』主演草野康太×『ヨコハマメリー』監督中村高寛 photo session「ヨコハマ・ブリーフ・エタニティ」も引き続きよろしくお願いいたします!
posted by 井川広太郎 at 23:54| Comment(2) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2010年12月03日

3年目のスピンオフぐらい大目に見てよ

黄金町映画祭には思い入れがある。

海外の映画祭を幾つか回っては来たものの当時はまだDVD発売前で、2006年の劇場公開以降は国内では上映する機会がなかなか無かった拙作『東京失格』に声を掛けてくれたのが、2008年の第一回横浜黄金町映画祭であった。

それだけで有り難かったのだが、これから新しい映画祭を作っていくという趣旨と情熱に深く共感し、続く2年目の2009年も関わらせてもらった。

そして本年2010年は結局、様々な事情で映画祭としては開催することができず、明日、明後日と「黄金町映画祭スピンオフ」として二日間イベントが行われることになったのだが、それでも、こう、いよいよ前夜となって、ますます興奮する。

映画祭というものはどういった形で参加するにしても、見知らぬ映画と出会ったり、懐かしい顔と再会したり、観客や運営や制作者側といった垣根を越えて映画好き同志の新たな出会いがあったり、いつだってドキドキするような出会いに満ちている。

言いたいことならどれくらいあるか分からなく溢れているのだが、12月5日(日)の「黄金町映画祭スピンオフトーク!」の内容が「映画祭」らしいので、続きはそちらで話すことにする。


しかし、今回の黄金町映画祭スピンオフと同時期に、福島拓哉監督作品『アワ・ブリーフ・エタニティ/OUR BRIEF ETERNITY』が黄金町映画祭を開催している映画館ジャック&ベティで劇場公開されるというのは、奇遇を越えて運命すら感じる。

というのも、件の拙作『東京失格』の主演が福島拓哉その人であり、また、『アワ・ブリーフ・エタニティ』の主演の草野康太さんは、黄金町映画祭にも深く関わっている地元横浜出身の俳優なのである。

また、同じ12/4(土)、12/5(日)の昼間に二回ずつ手話弁士付きのバリアフリー上映される中村高寛監督『ヨコハマメリー』は、2008年の第一回横浜黄金町映画祭で上映された作品。

さらに、今回の黄金町映画祭スピンオフで上映される2作品、三宅伸行監督『Lost&Found』、高橋康進監督『ロックアウト』は共に2009年の黄金町映画祭で上映された後、その勢いのまま一緒に都内で劇場公開されたという。

そういった作品たちが、再び連動してイベントを行うというのも、黄金町映画祭が生み出した出会いの現れなのかもしれない。


縁とか所縁といったものは、つまりはこうして生み出されていく。

一回こっきりなら偶然ですまされるものが、数を重ねることで意味や意義や意志を帯びて来る。

黄金町映画祭の目指す地元に根付した映画祭になるということは、ひょっとすると十年とか二十年とかかかる長い長い道程であって、だからこそ、そのためにも、今年も黄金町映画祭スピンオフというイベントを継続して行っていくことこそが大事なのである。

馬鹿いってんじゃないよ、お前と俺は
posted by 井川広太郎 at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2010年12月02日

海炭市叙景

海炭市叙景』2010年/日本/152分/配給=スローラーナー


わたしたちは、あの場所に戻るのだ。


佐藤泰志の幻の傑作が、ついに映画化されます。村上春樹、中上健次らと並び評されながら、文学賞にめぐまれず、90年に自らの命を絶った不遇の小説家・佐藤泰志。

『海炭市叙景』は、彼の故郷である函館をモデルにした“海炭市”を舞台に、そこに生きる人々の姿を描き出す未完の連作短編小説です。監督は、やはり北海道出身の熊切和嘉監督。
熊切監督は、遺された18の短編小説の中から、5つの短編を選び、脚本の宇治田隆史とともにモザイクを組み合わせるように、“海炭市”とそこに生きる人々の姿を浮かび上がらせました。



監督:熊切和嘉
出演:谷村美月、竹原ピストル、加瀬亮、三浦誠己、山中崇、南果歩、小林薫、ほか
音楽:ジム・オルーク
原作:佐藤泰志

オフィシャル・サイト http://www.kaitanshi.com/

2010年11月27日(土)より函館シネマアイリス先行ロードショー、12月18日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開


船、海、造船所、夕暮れ、プラネタリウム、港、地方都市、路面電車、港町、日の出、郊外型大型量販店、湾内の凪、夜景、ロープウェー、機械音、冬、雪、トラック、場末のスナック、猫。

映画に愛されたものたちが寄り添って暮らす、完璧な美しい世界。閉じてはいるが、閉ざされてはいない。風に流され、溶けて、消えていってしまいそうな、儚い世界。

わびしく廃れていく街、行き場が無く暴力化する優しさ、密やかに忍ばせた熱い情動。だからこそ、函館という街でしか生まれ得なかった映画であり、この映画で函館は世界の映画史の中で永遠に生き続けることを自ら決めたのだ。その意志がスクリーンに漲っている。

そこに、侯孝賢が見えた。北野武が、王家衛が見えた。アジア映画を「総括」してみせ、つまり、そのいずれでもなく、さらに新たなる地平を切り拓いてみせたその独特なフォルムは、熊切和嘉の映画以外にはありえない。

日本映画最高!

希望なんてありはしないよ、だってこんなに美しいんだぜ。

路面電車、プラネタリウム、日本映画最高!
posted by 井川広太郎 at 18:45| Comment(0) | TrackBack(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする

2010年12月01日

ベストセラー

ベストセラー』英題:BESTSELLER/2010年/韓国/117分/DLP上映/配給:イーネット・フロンティア

ハリウッドリメイク決定!
韓国で100万人を動員したサスペンス・ホラー映画史上最怖のノンストップ・スリラー!

盗作疑惑をかけられたベストセラー作家は、娘と人里離れた別荘に引きこもる。
そして、血も凍るほど、想像を絶する“ある事件”に巻き込まれる!



監督:イ・ジョンホ
出演:オム・ジョンファ『TSUNAMI』、リュ・スンリョン『アイリス』、ジョ・ジュン『チュノ』、チェ・ムソン『セブンデイズ』

オフィシャル・サイト http://enet-dvd.com/enet/sp/bestseller/

2010年12月4日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー


いやマジで、ホラー映画は怖いという理由で苦手な俺でもスクリーンから目を離すことがノンストップ劇場でした。

本気で世界マーケットのエンターテイメント映画を作っていくという意志の強さと意図の明確さに韓国映画界の凄みが現れていて、感服です。

脚本が良く出来ているという以上に練り込まれていて、アラを探せばアナなんて幾らでもあるしオチ的なこととかネタバレ的なことは観ていて直ぐに分かるようなことなんだけど、そういう突っ込みどころも含めた種蒔きを周到にしておいて、後半で一気に伏線を回収しつつ、これでもかっ!て言うぐらいに次々に惜しみなくネタが畳み込んで来る。気軽に観て、誰でも楽しめる、よく出来たエンターテイメント。

これはアリ。アリなんです!
posted by 井川広太郎 at 23:24| Comment(0) | TrackBack(1) | REVIEW | 更新情報をチェックする