2012年04月18日

ケイト・レディが完璧な理由

『ケイト・レディが完璧な理由』

http://finefilms.co.jp/kate-reddy/

posted by 井川広太郎 at 20:01| Comment(0) | TrackBack(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする

2012年04月16日

三重スパイ

三重スパイ』原題 Triple agent /フランス/2003年/時間 115分/配給 紀伊國屋書店、マーメイドフィルム

1930年代、パリ。ロシアからの亡命者を数多く受け入れていたフランス。彼らはボルシェヴィキ政権に反旗を掲げ国を脱出、もしくは追放されたものたちだった。
ギリシャ人の妻アルシノエと共に亡命してきたロシア帝政軍の将校フョードルもその1人。フョードルは表向き在仏ロシア軍人協会の事務員として働き、妻のアルシノエは自宅のアトリエで趣味の油絵を描いている。
ある日アルシノエは、アパートの上階に住む高校教師のパサール夫妻と知り合う。共産党員で急進的な思想を持つ2人と食事をし、親交を温めるが、イデオロギーの違いで互いの話は全くかみ合わない。
やがてスペイン内戦が勃発。2人の周囲も騒がしくなる。フョードルは出張が多くなった。アルシノエは夫の仕事について時々たずねるが、彼の返事はいつもあやふやだ。
ある晩、彼女が夫に問い詰めると、自分は諜報員だからすべての活動は秘密厳守なのだと答えた。やがて彼の不審な行動に疑問を抱く者が現れる。



『緑の光線』『海辺のポーリーヌ』などで日本の若い女性を虜にしたヌーヴェル・ヴァーグの巨匠、エリック・ロメールの異色作。
1930年代のパリを舞台に暗躍するスパイの姿を描いた本作は、裏切り、騙しあい、隠ぺいに満ちた痛快な傑作サスペンス。
実際に起こった事件をもとにロメール独自の解釈をほどこした緻密なシナリオ。
当時のニュース・フィルムと男女の会話のみで構成した大胆な作劇術は脱帽の一語。

キャスト:カテリーナ・ディダスカル/セルジュ・レンコ
監督・脚本:エリック・ロメール

映画の國名作選 V 「フランス映画未公開傑作選」
クロード・シャブロル『刑事ベラミー』、クロード・ミレール『ある秘密』、エリック・ロメール『三重スパイ』
渋谷イメージフォーラムにて4月、限定ロードショー!

公式サイト http://www.eiganokuni.com/meisaku5-france/


家族や恋人の謎というのはサスペンスの定石だが、それってつまり、全ての観客にとってリアルなテーマ設定だからなんだと思う。
知るはずもない過去を探るという禁忌を犯す時点で、それ自体が時限装置となってドラマツルギーが発生し、登場人物は終わりに向かって疾走せざるをえない。
世の中には知らなくて良いことも、知らない方が良いこともあるわけなのだが、それでも過ちを繰り返してしまう衝動こそが愚かな我々ならではの押さえがたい知識欲と好奇心であって、それはエピメテウスとパンドラというバカップルから何一つ変わっちゃいない。
だからこそ、冴えない夫が国家どころか世界の命運を握っているなんていう突飛な物語すら、退屈な街に溢れるささやかなロマンスと同じくらいに真実味のある話として語られるのだ。
にしても、文芸作品はもとより、晩年のロメールはとんでもなく難解な映画を多数残してくれた。
映画は果てしなく自由で、底なしに奥深い。
そのことを提示してみせたことこそが、ロメールが仕掛けた最大の時限装置なのかもしれない、と今ちょっと思いついた。
posted by 井川広太郎 at 02:20| Comment(4) | TrackBack(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする

2012年04月11日

こわれゆく女【復元ニュープリント版】

こわれゆく女』1975年/アメリカ/147分/カラー/ヴィスタ/配給:ザジフィルムズ

精神のバランスを崩した妻と、土木工事の現場監督を務める夫。
壊れかけそうな家庭を繋ぎとめようとする夫婦愛を描いたカサヴェテスの代表作の一つ。
脚本はジーナ・ローランズ主演の戯曲として執筆。
ゴールデングローブ賞最優秀女優賞(ドラマ)受賞。
アカデミー賞最優秀主演女優賞、監督賞ノミネート。

『こわれゆく女』は、マーティン・スコセッシ監督が映画修復作業の支援・監修を目的に1990年に設立した非営利団体、THE FILM FOUNDATION(フィルム・ファウンデーション)とイタリアを代表するラグジュアリーブランド グッチの協力のもと、復元ニュープリント版として復活。



監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
製作:サム・ショウ
出演:ジーナ・ローランズ、ピーター・フォーク、マシュー・カッセル、マシュー・ラボートー

公式サイト http://www.zaziefilms.com/cassavetes/

「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ」
5月26日より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー!


以前に観た時は、二度と観るものかと思うほど恐ろしかった。
その割には、その後も何度となく観ているわけだが、今回は特に『ラヴ・ストリームス』の直後に観たので、ただのライトなコメディに思えて、とても楽しかった。

『ラヴ・ストリームス』を観てからガチで体調がすぐれなかったので、こんな状況でさらに恐ろしい映画を観たらどんなになっちゃうんだろうかと不安もあったのだが、まさに杞憂。
観賞後はむしろすっきり、元気いっぱいになった。

この映画は冒頭から、“ちゃんとした映画”なので安心するんだけれども、しかしやはり一筋縄ではいかない。
映画そのものはごくいたって普通のはずなんだが、観終わって、とどのつまりなんのことやら、煙に巻かれてしまうように掴みどころが無い。
ジーナは常にアクセル全開だし、ピーター・フォークはここぞとばかりに油を注ぎまくるし、何から何まで最後まで全く収拾がつかないままなのに、なぜか不思議とぴったりと落ち着いて終わってみせる。
なんだ、これは。
で、思うんだが、実のところ、夫婦の愛だとか関係性を描いているというよりも、子供から見た母親と父親を描いているんじゃなかろうか。

ママは感情的だけどいつも優しくて大好き、パパは高圧的でおっかないけどやっぱ大好き。
全てを子供目線で捉えると、ジーナとピーター・フォークの、どっちが喧嘩や言い合いの起因かも分からない支離滅裂な関係性も、仲が良いのか悪いのか分からないけど扉を閉じれば丸く収まる大人な愛情も、なるほど、全て納得できる。
そんなわけで『こわれゆく女』は、大人の男女が子供心で人生を振り返る、ファンタジックなコメディなんだと思うな。

若い頃はそういう機微は分からなかったけど、大人になってから観ると昔とは違う見方ができるし、より一層深みが味わえる。
言い方を変えると、人生経験を積むたびに『こわれゆく女』を様々な角度から楽しめるようになるし、長く生きれば生きるほどカサヴェテスの作品は面白くなっていく。
独身の俺でこうなんだから、むしろ子供を育て上げ夫婦のあれやこれやを経験し尽くした中高年層の方々にこそ『こわれゆく女』を観て頂きたい。
posted by 井川広太郎 at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする

2012年04月10日

愛…しりそめし頃に…11

本を探して幾つかの本屋さんを回るが収穫なし。
しょぼくれて帰ろうとしたら、うっかり通った漫画コーナーで『愛知り』の新刊を発見、即購入。
なんと!ついに!あの漫画の誕生秘話、そして刮目の執筆シーンが描かれているのです!感涙。
そして、テラさんの生き様に胸が熱くなる… 今回も必読、衝撃の一冊。


posted by 井川広太郎 at 20:18| Comment(0) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする