2018年02月23日

ザ・キング

『ザ・キング』(原題 The King/2017年/韓国/配給ツイン/134分)



監督:ハン・ジェリム
出演:チョ・インソン、チョン・ウソン、ペ・ソンウ、リュ・ジュンヨル

公式サイトhttp://theking.jp/
2018年3月10日(土)よりシネマート新宿ほか全国順次ロードショー


権力を得るために悪事に手を染めていく若き検事の戦いと葛藤を描くハードボイルドなドラマ

フィクションでありながら妙にリアルな説得力があって、なぜ、"薄給で激務"のはずの検事が異常な富と権力を持ち得るのか、よく分かる。
重大事案が起こるとそれを打ち消すかのようにスキャンダルが報道されたり、政治家とめっちゃ癒着したり、出世こそが正義であったり、組織の論理が最優先されたり、なんか知っているような気がする検察の暗部が次々と描かれていく。

なんといっても歴代韓国大統領の実際の映像を使い、その失脚と選挙のたびに検察が暗躍しているというシーンが面白い。
韓国の歴代大統領は逮捕されたり、殺されたりと、必ず悲惨な末路をたどっているが、この映画を見ると色々と納得できる。やっぱりなー。そうだったのかー。

かといってこれが韓国だけの話とはとても思えず、むしろ、これは日本の話ではなかったっけと、既視感でクラクラする。
国家権力とか組織とか政治とか、どこもこんなもんなんだろうなという爽やかな絶望感。

しかし単なる暴露映画かというとそんなことは全くなく、権力と欲望とに惑わされた若者の一代記になっている。
主役のめちゃんこイケメンなチョ・インソンが、時代の波に飲まれる男を真摯に演じていて、ピカレスクというよりハードボイルドな雰囲気が骨太で良い。
さらに、憧れの先輩検事を演じるチョン・ウソンが素晴らしい。
恐ろしいほどに切れ者で、近づきがたいほどのオーラを放ちつつ、実はめっちゃ軽薄な小者っていう難しい役どころを見事に演じていて、めちゃくちゃカッコいい。
ビシッと決まったシチサン分けが最高にクールだぜ!
posted by 井川広太郎 at 12:57| Comment(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする