2018年07月29日

ストリート・オブ・ファイヤー

子供の頃に深夜にテレビで放映されているのを見て以来、ずっと好きなオールタイムベストの一本
デジタルリマスター版がシネマート新宿で公開中で見てきたが、やっぱり最高だった
なんだか音がめちゃめちゃ良くて、冒頭の「nowhere fast」でうっかりI love you Ellen!と叫びかけたがグッとこらえて涙を流した
俺はトムコディみたいな男になりたかったんだけど、全く似ても似つかないおっさんになってしまった
でも一つだけ変わらないこともあるんだぜ

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2018年07月25日

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

湯浅弘章監督の「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」を新宿武蔵野館で観た
吃音で塞ぎ込みがちだった女子高生に友達ができ、バンドを組むようになるという青春映画
とても良かった!

キラキラしているだけでなくドロドロした部分もある思春期の、汚れなき惨たらしさまで丁寧に描く
全てが容易に上手くいくわけではないが、だからこそ一瞬の煌めきが尊いのだと気付かされ、かけがえのない時間が眩しく鮮烈に輝く

緑あふれる長閑な港町というロケーションの良さもあって、光の扱いに長けた湯浅監督らしい目映い映像が印象的
特にヒロインたちが度々自転車で行き来する湾口のシーンは海の青さが際立ち、どれも日の位置が完璧で、その素晴らしさを見るだけでも価値がある

しかし、なんといっても誠実かつ体当たりの演技を見せる主演の南沙良と蒔田彩珠の清々しさ
狭い校舎から溢れんばかりの生命力を潜め持て余し、葛藤しながら一日一日を精一杯、生きる少女たちの悶々とした瑞々しさを見事に演じている
綺麗な涙なんかよりマジな鼻水の方がよっぽど美しい!

中盤で何曲か演奏するシーンがあるのだけれど、その選曲がまた実に良く、心憎い
僕もこの原作が好きだったんだけど、湯浅さんが監督してくれて良かったと心から思った

甘酸っぱくて退屈で、だけど何より綺麗で残酷な日々、それってまさに青春だぜ!

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2018年07月24日

七人の侍

たまたまこないだ、午前十時の映画祭で「七人の侍」を観まして
TOHOシネマズの素晴らしいスクリーンで黒澤映画を観るという悦楽に浸り
もちろん全てが素晴らしすぎる映画なので特に何がということはないのだけれど
やはり脚本とテーマ設定の見事さにただただ感激していたところなのでした

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2018年07月23日

欲望の翼

20年ぶりぐらいに「メイド・イン・ホンコン」を観られると嬉々として早稲田松竹に行ったのだが、果たして何度も観ている「欲望の翼」の素晴らしさに参ってしまった
香港行ってから観直すとまた格別に味わい深い「メイド・イン・ホンコン」も矢張り傑作で面白いのだが、恐るべきは王家衛、才気が漲りすぎている
ドイルなのかウィリアム・チョンなのか、いやはや編集も音楽も、いわずもがな最愛の俳優たちも全てがありえないレベルで異常に良い
こういうことってあるんだなーって感じだし、こういうことを起こすのが映画なんだなあって改めて感激しつつ素直にビックリした
あまりの素晴らしさに映画を観ていて怖さすら感じた
僕は王家衛について何も知らなかったんだということを知り、これから知る楽しみがあるという喜びに興奮している
俺と一緒に行かないか

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2018年07月20日

判決、ふたつの希望

『判決、ふたつの希望』(原題 L'insulte/2017年/レバノン・フランス合作/配給 ロングライド/113分)



監督 ジアド・ドゥエイリ
出演 アデル・カラム、カメル・エル・バシャ

公式サイト http://longride.jp/insult/
2018年8月31日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国順次公開


レバノン人とパレスチナ移民との小さな口論がレバノンという国をも揺るがす裁判に発展していくドラマ

面白かった!
社会に対する小さな不満が積み重なったイライラ、思わず口にしてしまう挑発的な言葉が引き金となり、誰にでも起こりうるような隣人とのささやかな諍いが、解決策すら見えぬ移民問題の本質を鋭く突く。

レバノンという国の現状と抱えている問題が、リアルな生活の中にとても分かりやすく描かれている。
一般市民のご近所トラブルが、まるでレバノンという国の縮図のようですらあるから見事としか言いようがない。

ただの喧嘩のはずが民族的な背景を持っていて、当事者たちの尊厳を傷つけているからこそ、お互いに簡単には譲れないし、割り切って考えることなどできず、よせばいいのに裁判になる。

しかし、法の下の平等が常にフェアというわけもなく、国の判断や大人の事情、国際情勢的な軋轢もあって、ことは簡単に済まないし、誰もが納得できるとは限らない。

周囲を巻き込み引くに引けなくなったところで、さらに、その純粋な思いを自分たちの主張や利害のために利用しようとする弁護士やメディアたちが焚き付けてくる。
そうして雪だるま式に話が大きくなっていき、国をも揺るがす事案となり、もはや本人たちの意思とは関係なく複雑化し収拾がつかなくなっていく。

登場人物が全員ガンコでクズというか、それぞれがそれぞれの思いを持った人間味溢れる愛すべき人たちばかりで、なかなか上手くはいかない世の中の面白さと素晴らしさを感じずにはいられない。
そしてさらにもう一段、登場人物の一人が隠し持つヨルダンの歴史に絡んだ深い動機付けが描かれ、のっぴきならない問題の根深さを伺わせドラマとしては圧倒的に重みを加え、ますます放ってはおけない気持ちにさせられる。

どこの国でも起こり得て、誰にでも共感できるシンプルな物語になっている点が素晴らしい。
何より、当事者たちの思いとは別の次元で裁判が続くという構図がなんとも皮肉で、それこそ世界情勢そのもののようにも感じられる。
それだけに映画的に見事なエンディングには素直に感動しつつ、綺麗すぎてなんだかちょっぴり物足りなさも感じてしまった。
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2018年07月19日

バッド・ジーニアス 危険な天才たち

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(英題Bad Genius/2017年/タイ/配給 マクザム、ザジフィルムズ/130分)



監督 ナタウット・プーンピリヤ
出演 チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、チャーノン・サンティナトーンクン、イッサヤー・ホースワン、ティーラドン・スパパンピンヨー、タネート・ワラークンヌクロ

公式サイト http://maxam.jp/badgenius/
9.22(土)新宿武蔵野館ほか全国順次公開


タイの高校生が金儲けのために組織的なカンニングという犯罪に手を染めていくクライムサスペンス

カンニングを主題にしていると知って、やられた!と思った
狡猾な先生たちの目を盗みどうやってカンニングを成功させるか競う学園もの!なんてのを期待して観に行ったら全く違う映画であった

大人たちはとにかくボンクラで、高校生たちは無邪気で世間知らず、つまりは登場人物が全員バカ。天才なんじゃねーのかよ!
しかも、リスクを冒して罪を繰り返す動機がどんどん曖昧になっていくのに、次々に周囲を巻き込み、多くの人の人生をメチャメチャに壊していくという鬱展開
想像していたのとちょっと違うかな…

学歴偏重社会に対するブラックコメディなのかもなんだけど、その割にはいい人キャラや感動的なメッセージも用意されていて、ちょっとスタンスがよく分からない
クライムサスペンスなら罪悪感なんてあんまない方が面白いんだけど、そこはカンニングというテーマゆえのジレンマか

せめて金以外のモチベーションが明確であれば違っていたと思うが、とにもかくにも登場人物たちが美女イケメン揃いで眼福
主演の子は個性的なスーパーモデルなルックスだし、その親友はスーパーアイドルな可愛さ、メインの男子高校生二人もイケメンで、彼らを眺めているだけでも楽しめる
冒頭でヒロイン2人が出会う図書館、退屈な学校に潜む輝きを上手く捉えた映画的なシーンで綺麗だった
posted by 井川広太郎 at 21:58| Comment(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする

2018年07月06日

バーフバリ

遅ればせながら、「バーフバリ 伝説の誕生」「バーフバリ 王の凱旋」を観た。
めちゃめちゃ面白かった!
こんな映画があるのかと、信じられないくらいに面白かった。
映画が終わった後、劇場が興奮でザワついている。それぐらい、とんでもなく面白い。

古代インドの大国の王座を争う二人の王子の確執がメインなのだけれど、王室はもとより周辺諸国の多くの人々をも巻き込む大河ドラマになっている。
圧倒的なアクションシーンはもちろん、ギャグあり、メロドラマあり、サスペンスあり!ハラハラさせるし、ドキドキさせるし、素晴らしい映像美に酔いしれ、魅惑的な俳優陣に見とれ、そしてボリウッドならではのミュージカルシーンも圧巻、長尺なのに全くたるみなく一気に楽しめる。
90分以上の映画は体質的に受け付けない僕が、3時間近いのに短いとすら感じる。

スケールがデカすぎる!知性が高すぎる!想像力が豊かすぎる!
正直、この映画の面白さを僕は上手く説明できない。
とにかく観て欲しい。観ればきっと面白さに感激するから。

劇場にはリピーターと思しき人も多く、またその人たちは多く友人を連れてきているようだ。
この映画を見たら語りたくなる!でも言葉でなんて説明できない!もう一回見たい!一緒に観に行こう!ということなんだろうと思う。

前編「バーフバリ 伝説の誕生」と、後編「バーフバリ 王の凱旋」があるのだけれど、恐ろしいことにどちらを先に見ても楽しめる。
この脚本を書いた人は、天使か悪魔かいずれかなんだと思う。

とりあえず僕は、早くもう一度観たい!
また後編を見て、それからまた前編を見て、もう二周はしたい!
こんな素晴らしい映画を映画館で見られる幸せ!
映画の王を讃えよ!
バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!



posted by 井川広太郎 at 07:37| Comment(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする

2018年07月05日

チャーチル ノルマンディーの決断

『チャーチル ノルマンディーの決断』(原題 Churchill/2017年/イギリス/配給 彩プロ/105分)



監督:ジョナサン・テプリツキー
製作:クローディア・ブリュームフーバー、ピアース・テンペスト
製作総指揮:ティム・ハスラム、ヒューゴ・グランバー
出演:ブライアン・コックス、ミランダ・リチャードソン、ジョン・スラッテリー、エラ・パーネル、ジェームズ・ピュアフォイ

公式サイト http://churchillnormandy.ayapro.ne.jp/
2018年8月18日より、有楽町スバル座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開!


イギリス首相チャーチルがノルマンディ上陸作戦を前に葛藤する姿を描く人間ドラマ

チャーチルがノルマンディ上陸作戦に反対していたとは知らなかった!
ので、冒頭でこの映画がノルマンディ上陸作戦を扱っていると知り、ははあ、チャーチルが作戦決行の判断をするまでの物語か!と思ったら、いきなり作戦に異を唱えやがる。
つーことは、そこから作戦を修正するのかと思ってたら、そんなシーンは全くなく、ノルマンディ上陸作戦が嫌で仕方ないチャーチルがグズって酒と葉巻に溺れて鬱で寝込むだけの話であった。

本作はチャーチルの知られざる姿と人間味溢れる側面を描いている、にしても当時の連合国遠征軍最高司令官アイゼンハワーに全権を握られ何も出来ず、個人的な感情で作戦にケチをつけるだけという、トップに立つ人間としてはあまりにもダメすぎる姿は衝撃的。
作戦室にまで出入りする妻に離婚をチラつかされて動揺し、危機的状況なのに飲んではグズるを繰り返し、全く仕事もしないですぐに寝てしまい、戦時中の一国の首相がこれでいいのかと目を疑う。
それだけにチャーチルの演説のシーンはグッと来るものがあり、まあ政治ってこういうことなのかもなーって。

チャーチルの伝記映画と言えば、ついこの間、ゲイリー・オールドマン主演の映画もあったし、ちょっと前には「ダンケルク」もあった。
なぜチャーチルものが続々と映画化されるのか不思議で仕方ないが、どれも描いている時期は微妙にズレている。

なので、むしろ時代順に観ていって、チャーチルの描き方などを比較するのも面白いかもしれない。
時間軸で観るチャーチル映画特集上映、是非やって欲しい。
posted by 井川広太郎 at 09:23| Comment(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする

2018年07月04日

2重螺旋の恋人

「2重螺旋の恋人」(原題 L'amant double/2017年/フランス/配給 キノフィルムズ/107分)



監督 フランソワ・オゾン
製作 エリック・アルトメイヤー、ニコラ・アルトメイヤー
出演 マリーヌ・バクト、ジェレミー・レニエ、ジャクリーン・ビセット、ミリアム・ボワイエ、ドミニク・レイモン

公式サイト https://www.nijurasen-koibito.com/
8月4日から東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開


精神科医に恋した女が、彼に瓜二つの別の精神科医に出会い惹かれていくエログロサスペンス

実は初めてフランソワオゾンを観たんだけど、なんだか女子って大変なんだね
いやでもまあ痩せすぎは良くない、痩せすぎが良くないんだと思う、ほんと
美術館の監視員のバイトというアイデアには激しく嫉妬!
posted by 井川広太郎 at 20:34| Comment(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする