2005年12月24日

Traveler

『眠る右手を』を撮影するもっと前、の話。

なんとなく、自分に転機が訪れることを予感していた俺は、それまで自分が撮った学生映画を一挙に上映するイベントを企画した。

友達が運営していた中野の小さなハコを借りて、親しい友人達を呼んだ。

イベントの前日は友達の家で呑んでいて、朝、目を覚ましたら一面の銀世界だった。

案の定、都内の交通手段は壊滅状態で、俺すら会場に行くのに苦労した。

この天候では、皆来られないのではないかと危惧したが、20数名が来てくれて、小さなハコはいっぱいになった。

嬉しかった。

それから映画を上映した。

上映の合間に、煙草を吸いに外に出ると、あまりの寒さと雪の眩しさに戸惑う。

そして気が付いたのだが、映画を観ている時は誰もが、外の大雪のことなど全く忘れていた。

まさに胡蝶の夢。

それが映画だと確信した。

イベント終了後、皆で呑みに行った。

その時の友人達には、いまもごく親しい者もいれば、久しく会っていない者もいる。

でも、どちらにしろ、あの記録的な豪雪の中来てくれた親愛なる仲間であることには違いない。

だから、また会うことが合ったら、あの時の酒の温度で、きっと笑い合える。


俺は、今までも、そしてこれからも、そういった瞬間を積み重ねて行く。


暫く先に行ってから、漸く振り返り、ああ、そうかと思う。


居心地が良過ぎても、恐れたりはしない。


感情は至るところに、溢れているのだから。


そう、俺はここにいる。
posted by 井川広太郎 at 07:33| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする
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