2005年04月18日

桜の話

「東京失格」の撮影をしました。満開の桜の木の下で。

脚本も出来ていない段階で、兎に角もう無性に花見をするシーンが撮りたくなって、スタッフにもキャストにも無茶を承知でお願いして、かなり無理矢理撮影しました。

あくまでエチュード(即興で演じ話を展開していく稽古)という形での撮影であって、「東京失格」の本編でどのように使われるのかは分からないのですが、個人的にはとても楽しく大切な撮影であったし、スタッフやキャストも「東京失格」を理解するのに役立ったと思う。

どちらにしろ、そういった瞬発力がないと、この映画は撮れないということはハッキリしている。そういう意味で、あの日いたスタッフもキャストも容赦なくリスペクトするぜ。俺は。

で、桜を撮ったという満足感もあり。俺の頭の中で、無条件に感傷的になるコトの一つが桜であって、それを自分の映画の中でちゃんと昇華したという満足感は、あるな。

ロケ地は神田川。中央線を映し込みたかったし、桜の木が両岸から川に突き出ている様が美しいから。

ソメイヨシノはクローン(自然交配で出来た雑種の桜で接ぎ木で広まったもの)だから一斉に咲き、散っていく。桜前線とか開花宣言とか、泣きそうになるほど微笑ましい。その小さな花びらを受け取り集め流して行く川があるって、素敵。

俺が住む中野通りも桜が美しい。マンションの四階だから、窓から外を見ると桜の木が絨毯のように眼前に広がっている。

撮影の翌日の昼からは哲学堂で花見。驚くほどの人出の中、すれ違う人々が皆、笑顔であるというだけで、こちらまでウキウキする。風が強いが、酒を呑み、歌い、騒ぐ。

夜は新井薬師公園で花見。昼間以上に風が強く肌寒い。常夜灯に照らされるまでもなく、この公園には桜の木が少ない。にも関わらず、多くの人が酒を呑み、歌い、騒ぐ。相撲を観に行った時も思ったけど、こういうお祭り文化、好きだな。三線や太鼓を持ち出し、沖縄民謡を踊る一団がいた。いいな。ああいうの。

桜の見頃なんてほんの数日。今年は東京ではそれがびったし土日に当たって良かった良かった。その二日間、少なくとも東京の桜の木の下では、とても平和だったと思う。俺も撮影に花見と桜を満喫できて嬉しかった。

ただ一つの後悔は、国立の桜を拝めなかったこと。大学通りに桜通り。軽くホームシックだな。
posted by 井川広太郎 at 02:56| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京失格 | 更新情報をチェックする
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