2006年01月18日

ルー・サロメ/ダンサーの純情

今日は銀座でプレス試写を二本立てで観る。


ルー・サロメ 善悪の彼岸 ノーカット版』(1977/リリアーナ・カヴァーニ /配給:彩プロ)

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『愛の嵐』のリリアーナ・カヴァーニが送る官能の愛が再び―

19世紀後半、当時の精神、文化史に多大な影響を与えた女傑ルー・サロメ。 彼女と大哲学者ニーチェ、そして彼の弟子格であったパウル・レーとの愛と思想の妄執を描いた文芸エロス大作。 三位一体の共同生活が織り成す衝撃の愛の結末とは―。待望のイタリア語完全版がノーカットで遂に日本解禁!

2006年2月下旬より新宿K's cinema 他にてロードショー

予告編を偶然先に観ていて、あんまかなと期待しないで観たのだが、予想外に面白かった。
基本的には、一人の女性を巡る愛と性と(国家的な意味での)結婚を巡る話なので、女性の自立と性の解放と個人主義の確立に関する映画という風に売り出しているっぽいのだが、現代に上映するなら「やおい娘のメルヘン妄想」と言った方が受けると思う。
実際、それぐらいアナーキーな映画。内容もさることながら、大胆なシーン転換、長回しの後の高速カットバック、そして何より、口をあんぐり開けてしまう程にストレートな幻想シーン。
その余りに即物的な表現は、ギャグとして捉えて良いのか否か、試されているような緊張感を漂わせる。
ラストのドミニク・サンダのクローズアップは危うく泣きそうになる程の美しさ。回想のインサートが無く長回しだったら号泣してたな、俺。
監督が女性ということもあってか、エンディングで『ロスト・イン・トランスレーション』(2003/ソフィア・コッポラ)を思い出しました。



ダンサーの純情』(2005/パク・ヨンフン/配給:SPO)

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韓国で250万人が号泣した、見るものすべてを<人生の希望>へと導く感動の純愛ストーリー。傷ついた若い天才ダンサーと<この世で一番純真な天使>チェリンとの出会い・・・ダンスと純愛が導き出す2006年最高の感動エンタテインメント。

才能あふれるがゆえにライバルの策略によって、ダンスの道を断たれた若き天才ダンサー・ヨンセ。彼の前に現れたダンスも恋も知らない純真な<天使>チェリンとの出会いを通して愛と希望を取り戻していく…。『純愛中毒』でイ・ビョンホンと組み韓流ブームのきっかけを作った監督パク・ヨンフンが再び放つ感動の純愛ドラマ。愛とダンスが美しく調和する珠玉のラブストーリーがここに誕生した。

2006年ゴールデンウィーク、CINEMART六本木・シネリーブル池袋 ほかにて全国ロードショー

所謂“韓流”映画を初めて観た。
そうかっ!愛は果てしなく純粋なのか!根っから悪い奴の障害は善良な天使達の幸せへの踏み台なのか!白馬の王子様はいつか必ずやって来るのかっ!
プレス試写なので鑑賞しているのは映画評論家の先生方や、雑誌の記者や編集長など。そんなおじさまやおばさま達が人目を憚らずに泣いていました。なんか、カタルシスという言葉を少し理解した気がしました。
が一方、人身売買や偽装国際結婚などの、かなりダークな部分が物語のベースになってもいる。だからこそ、こんな楽天的な作品が生まれ得るんだなと、少し納得した。そういう意味じゃ1997に肉薄し続けた香港映画に近いものがある。どちらにしろ、日本映画には無い文脈。侮れないな。“韓流”。
あと、主演の男性が椎名桔平さんにソックリ。あとあと、その椎名桔平さんの弟分役の人が千原浩史さんにソックリ。で、その千原浩史さんのパートナー役の娘がめちゃめちゃ可愛かった。
ところで『Shall we ダンス?』(1996/周防正行)でもそうだったが、“社交ダンス”(正式にはボールルームダンスと言うらしい)のスポーツ性が垣間見えて面白かったです。そう言えば、西野まりちゃんは元気かしら。
この映画、ヒットすると思う。


まあ、そんなこんなで“愛”について両極端な作品を2本観た日でした。
posted by 井川広太郎 at 00:28| 東京 ☁| Comment(3) | TrackBack(1) | REVIEW | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
韓で大きいパクとか可愛かった
近いものがこの世とか、国際を誕生しなかったの?


Posted by BlogPetの失格くん at 2006年01月18日 11:18
おそれおおくもTBさせていただきました。
ルーサロメの自分の感想を書いた後、読んでやっぱり私が思ったことほかの人も感じたのだと、うれしくなってしまいました。ヤオイ。。。ええ私もそう思いました。
オペラの演出までなさるカヴァーニさんでいらっしゃるんですけど、ね。
Posted by マヤ at 2006年02月12日 22:44
>マヤさん
はじめまして!TB&コメント有り難う御座います!
“『ルー・サロメ』やおい説”の同志が見つかり嬉しいです!
物語的には破綻して、主題も不明確で、脈絡の無いあの作品の魅力は、今でこそ受け入られ易いのではないだろうかと思いました。
映画は他の物語る芸術以上に、即物的なイメージに足を引っ張られる危険が大きい訳ですが、そういうイマジネーションにどっぷり浸ることを恐れなかったこの作品は、物欲と比例するようにメルヘンを生み続ける今日の日本の若者には共感出来る点が多いのではないでしょうか。
今後もどうぞお気軽にTB&コメントの程、宜しくお願い致します!
Posted by 井川広太郎 at 2006年02月12日 23:30
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Excerpt: 『ルー・サロメ 善悪の彼岸 ノーカット版』 オリジナルは1977年製作にもかかわらず、日本公開は1985年だった本作。だが、日本公開バージョンはオリジナルではなく、40箇所以上のシーンがカットさ..
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Tracked: 2006-02-12 22:45