2006年01月29日

10年か

新聞を読んでいたら”飛行機ごと10年後にタイムスリップする“という趣向のTVドラマの話が載っていた。

で、自分の10年前を思い出してみる。

1996年01月、俺は19歳(!)で浪人生であった。

センター試験も終わり、今更ジタバタしても仕方ないと腹をくくって、塾の講師と毎日のように遊んでいた。

俺はセンター試験などのマークシート(とか暗記もの)が非常に苦手だったので、12月だけは詰め込むように勉強した。一生で最も勉強したのは間違いなく95年の12月だ。っつーか、それ以降は全く勉強してないしな。

で、それを何とかクリアしたので、もう志望校に受かるという妙な確信があった。それには一応、俺なりの計算があって、それはつまり、俺の志望校は国立大学だったので科目は概ね筆記や論述で、現代文や日本史は実際得意だったし今更勉強する必要も無い一方、英語が頗る苦手だったので付け焼き刃したところで到底及ばないのでこの際無視を決め込み、後は得意の数学で稼げばまあ受かるだろうという、とてつもなくいい加減な勘定であった。

で、実際の試験では、論述科目は完璧、英語は予想通り論外、ときて、最後の科目が数学だった。俺が受けた大学では数学は記述方式で全5問。2問完答がボーダーライン、3問完答すれば合格ラインと言われているので、俺は最低3問がノルマ。
で、試験開始と同時にさらっと全5問に目を通す。そうして、それぞれの問題の難易度を見て取り、時間配分や優先順位を付けるのが鉄則なのだが、何と、一問も解けそうにない!焦れば焦る程、時間を浪費し、刻々と時は過ぎてゆく。そして一問も解き始めること無く、試験時間の半分が過ぎた。
もう駄目だ・・・ 俺は諦めて鉛筆を置き、自分の人生を省み始めた。来年も浪人するのか。それは多分無理。っつーか俺って勉強向いてないし。かと言って他に取り柄がある訳じゃないし。どうしよう・・・
で、絶望のどん底まで行ってきた俺は豪快に開き直る。どうせ駄目なら闘ってから死ぬべ。あと1時間、どうせこの席に拘束されるなら暇つぶしにでも頑張ってみるか!その方が諦めもつくし!
と、猛烈にネガティブなモチベーションで燃え上がる俺。で、残りの半分弱の時間で全5問を解いた。

というのは「頑張れ受験生!」的な脱線であって、丁度10年前の俺は、その後に上記のようなメイクドラマが待ち構えていることも知らずに、勉強するフリしてこっそり映画なんて観てるお気楽な奴であった。

そのお気楽さも、実は猛烈なプレッシャーに打ち負けない為の方法論であって、必ず合格したる!という気合いは十分だし、その為の準備もしてきたし、言わば戦場に赴く為の腹ごしらえをしている状態であった。

というのも、中高と落第生として過ごした俺は、半ば意図的に浪人し勉強したのだが、同時にお約束通り初恋に落ち、見事に玉砕し、もう兎に角大学に受かってどこかに逃げ去るしか行き場の無い精神状態だったのである。
勿論、その頃は、まさか自分が、通学初日で大学に見切りをつけ、映画にハマり、中退して映像で飯喰うような人間になるとは夢にも思っていなかったから、まあ「とりあえず大学に行く」以外のビジョンは描けなかったのだ。


なんか短く書こうと思ったら長くなっちゃったけど、要するに言いたいことは、10年前と今と気持ち悪い程似ているなってこと。


やってどうなるかなんて分からない。

でも、やるしかないのだろう?
posted by 井川広太郎 at 01:42| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私もふと10年前を振り返ってしまいました。
あのドラマのキャッチコピーってうまいですよねー。
私の場合、社会人一年生です。コータローさんは大学受験時なのですね!…うーん若いな。
同窓生なので入試のパターンとか思い入れとか「うんうん」と思わずうなずいてしまいました。私も受験直前の12月が人生で一番勉強したと思います。特に…地学(笑)。それまで地学なんて1mgも勉強したことがありませんでした。
Posted by yan at 2006年01月30日 17:49
>yanさん
“あのドラマのキャッチコピー”知らなかったのでググってみました。
確かに、そのドラマの影響で俺のように10年前を振り返るBLOGが日本中にあることでしょう。
でも、一つだけ言わせて!
このエントリーのタイトルの「いや・・・ 10年ねえ・・・」ってのは『東京失格』の台詞なのです。
俺が映画の道を志したのは96年の8月にシネマライズで『天使の涙』を観た時からで(大学の映研に入ったのは6月で東京に越したのは4月ですが)、俺がデビューする時は丁度それから1年後が目標なので、『東京失格』はその10年間に想いを寄せる作品にしたのです。
入試の傾向はyanさんの時も俺の時も同じなんですねえ。今も同じなら、受験生は在校生に直接対策を聞けば効果的だったりするんですかね?今時の塾はそういうこともしてるのかな?
因に俺もセンター試験は地学で大得意科目でした。予備校の地学の講師とも仲良く、多分一番多く奢ってもらいましたが、彼には「お前、気象予報士になれるから受けろ」って言われてました。いま思えば資格の一個ぐらい取っておけば良かった!
受験生の時は入試が人生の節目、学生の頃はいまが華、なんて思っていましたが、やっぱそれからの人生の方がよっぽど大変で楽しく刺激的なので、やっぱ長生きするもんだなあと思います。
こんなんで良いっすかね?先輩!
Posted by 井川広太郎 at 2006年01月30日 23:01
タイトルは映画のセリフなのですね!失礼しました…

私も学生のときより楽しいかな?
10年前の自分に「いま楽しくやってるよー」って自信もって言える気がするな、と思えたのがうれしかったです。長生きはするもんです。

映画の道を志すきっかけは『天使の涙』なんですねー。
私はこの業界に入ろうと思ったきっかけになったのは『アンダーグラウンド』です。映画っていいなあと思って「映画」自体を意識し始めたきっかけは『モンパルナスの灯』なのでした。中学か高校のときだけど。

これからも期待してますよー後輩くん!
Posted by yan at 2006年02月01日 14:18
>yanさん
10年前の自分に何か言えるとしたら「これとあれとそれやっとけ!後で大変だから!」と忠告したいです。でも10年前の俺は無視するんだろうな。のび太みたい。
『アンダーグラウンド』ですか。アレはアレっすね。アレっすよ。まあ軽くヤバい感じ。最初にあれ観たら俺逃げてただろうな。ああいう映画をガンガン撮れるようになったら日本映画も復活なんでしょうかね。近いとこだと『ユリイカ』ですかね。
確かに『モンパルナスの灯』に限らずベッケルは映画を観ることを意識的にさせてくれるクレバーな作品が多くて俺も好きです。『現ナマ』が最高にクール!
ああいうカッコいい映画が撮れるように長生きします!
Posted by 井川広太郎 at 2006年02月02日 00:16
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