2011年05月08日

風吹く良き日

風吹く良き日』(1980/韓国/113分/配給:太秦)



◯ストーリー
ソウルの街はずれで出会った地方出身者の3人の青年、中華料理店の出前持ちトッペ(アン・ソンギ)、理髪店の下働きチュンシク(イ・ヨンホ)、ホテルの使い走りキルナム(キム・ソンチャン)。彼らは互いに励まし合い、反発し合いながら暮らしている。人生に生きがいも希望も持てぬ彼らではあったが、それぞれ想いを寄せる相手がいて、街から離れられないでいた。そんなある日、チュンシクが傷害事件を起こし…。

◯イントロダクション
イ・ジャンホ監督は1976年パク政権下の芸能界風紀取締り事件で映画製作を禁じられるが、それが韓国社会を新たに捉えなおす契機ともなり、復帰第一作としてソウルの現状を描く本作を完成させた。アン・ソンギもまた、学業に専念するため一度は俳優業を引退していたが、映画界復帰作『兵士と娘たち』(1977/キム・ギ監督)に続く本作の出演で、再びスターダムにのし上がり、イ・ジャンホ監督とともに韓国ニュー・ウェーブを牽引していくことになる。

監督・脚本:イ・ジャンホ
出演:アン・ソンギ、イ・ヨンホ、キム・ソンチャン、ユ・ジイン、キム・ボヨン

作品公式サイト:http://www.kazetokujira.com/kaze.html

6月18日(土)より、新宿K’s cinemaを皮切りに、順次全国ロードショー!!


韓国の"国民的俳優"アン・ソンギ主演で、本邦劇場初公開という本作。

初見でありながらなんだか懐かしさすら感じるのは、大袈裟な演技と、大胆なアフレコと、豪快な脚本とが、かつての日本のプログラムピクチャーに似ているからだけではない。

肥大化する都市の中で貧しく苦しくもありながら人生を謳歌する切ない青春という普遍的なテーマが、時代も国も文化も越えて胸に響くのだ。

くわえて女優陣が目を見張るほどに美しい。それぞれ全く立場も境遇も違う三人の女が登場するのだが、そのいずれも個性的で美しい。正直、これほど美しい女優たちは、そうそうお目にかかれるものではない。きっと姿形以上に、映画に映えるか否かの違いなんだろうとは思う。

しかし、この作品のなによりの魅力は、当時のソウルの街並がありのままに映っていることにある。まさに街が築かれていくありのままの姿が、剥き出しになって現れている。都市が生まれるという活力がスクリーンの中で余すこと無く躍動し、そこに映る全ての人々、建物、風景からすら圧倒的な命の息吹を感じる。

かつての東京やその他のアジアの都市にも通じる、アジア独特の「都市が生まれる熱気」を感じる。その街に生きるという青春。
posted by 井川広太郎 at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする
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