2012年03月23日

ある秘密

ある秘密』原題:Un secret/製作国:2007年フランス映画/配給:紀伊國屋書店、マーメイドフィルム/上映時間:110分

フランスでベストセラーとなった同名小説をクロード・ミレール監督が映画化。第2次大戦下のフランスで、あるユダヤ人一家に起こった悲劇を描く。
内気で病弱な少年フランソワはある日、屋根裏部屋で古いぬいぐるみを見つけたことをきっかけに、両親の知られざる過去を知る。
父マキシムは母タニアと一緒になる前、アンナというユダヤ人女性と結婚していた。しかし、ナチスの存在がアンナの情緒を不安定にさせ、その一方でマキシムは結婚式で出会った美しいタニアに心ひかれていき……。
セシル・ドゥ・フランス、リュディビーヌ・サニエ、マチュー・アマルリックら現代仏映画界を代表する豪華キャストが共演。



監督:クロード・ミレール
原作:フィリップ・グランベール
キャスト:セシル・ドゥ・フランス、パトリック・ブリュエル、リュディビーヌ・サニエ、ジュリー・ドパルデュー、マチュー・アマルリック、ナタリー・ブトフー、イブ・フェアホーフェン、イブ・ジャック、サム・ガルバルスキ

映画の國名作選 V 「フランス映画未公開傑作選」
クロード・シャブロル『刑事ベラミー』、クロード・ミレール『ある秘密』、エリック・ロメール『三重スパイ』
渋谷イメージフォーラムにて4月、限定ロードショー!

公式サイト http://www.eiganokuni.com/meisaku5-france/


「すいませんでした!最近、ヌルい映画しか観ていませんでした!!」と、映画の神様に懺悔したくなりました。
クロード・ミレールって、こういう監督だったっけ?と焦ってくるほど凄みがあって、面白いったらありゃしない。
構成やら、演出やらが凝っていて、それはそれで興味深いのだが、そんなことは二の次で、実際、映画全編に溢れる、覚悟を決めた者にしか出せない凄みが、この映画の魅力なのです。

何と言っても、誘う女の顔!セシル・ドゥ・フランスが男を誘う時の顔こそが、この映画のクライマックス。
清濁併せ呑んでもまだ足りない、業を全て背負い込んだ者にしか出せない、女の顔。
愛しさと、憂いと、喜びと、哀しみと、望みと、諦めと、怒りと、慈しみと、そういった全てを内包するような複雑な表情。

そして、その表情と同様にあの肉体の艶かしさも尋常じゃない。
あの妖婉さ、あの美しさ、腹をくくった者にしか出せない凄みが溢れていて、あのシーン、あの顔、あの肉体が、この映画を象徴しているかのようでした。
女の顔と肉体が全てを物語っている。映画って、やっぱそういうんもんだよな!って、唸るしかない。

誘惑なのか、絶望なのか、挑発なのか、希望なのか…
ああいう女… まさにファム・ファタールと呼ぶべき、覚悟を決めた運命の女。
いや、もうね、普通に男として嫉妬しますよね、あらゆる意味で。

ちなみに原作本は、野崎歓先生の翻訳で既刊とのこと。
不勉強な私は未読ですが、映画観たらめっさ読みたくなりました。

posted by 井川広太郎 at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする
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