世界はときどき美しい Life can be so wonderful![]()
Staff
監督:御法川 修
脚本:御法川 修 プロデューサー:西 健二郎 企画:長澤秀俊 製作:棚橋淳一/中島 仁/長田安正 撮影:芦澤明子 録音:森 英司 音響:高木 創 音楽監修:大木雄高 主題歌:鈴木慶江(東芝EMI)
Cast
松田龍平/市川実日子/片山 瞳/松田美由紀/柄本 明
Story
ふとしたきっかけで出会う美しい瞬間があるから、ひとりの自分にもやさしくなれる。強くなれる…。
傷つき、かじかんでしまった心に、やわらかな光をそそぎ込む奇跡の映像詩。かけがえのない一瞬を積み重ねる人生を、5つの変奏によってつづる。
語りべとなる主人公たちには、松田龍平・市川実日子・片山瞳・松田美由紀・柄本明ら豪華な顔ぶれがそろい、これまでのキャリアが結晶したような慎み深い演技で魅力を香り立たせている。
イノセンスに満ちた儚い映像と、世界的なオペラ歌手・鈴木慶江の歌声が美しく結び合い、観るものを澄みきったやさしさで包み込む。
映像作家と呼ぶべき風格をたたえた新鋭・御法川修の監督デビュー作。
渋谷ユーロスペースにて連日21:10より(土日祝日は9:50もアリ)絶賛公開中
いやー、素晴らしい作品でした。
傑作。この作品こそ傑作と呼ぶべきなのだろうが、この作品は傑作と呼ぶことすらためらわれる気もする。
それこそ先付けやクレジットなどの冒頭から、実に丁寧に、繊細に、信じられないほど隅々まで気を配った演出に圧倒される。
本当に演技の一瞬一瞬、カットの一つ一つ、音の先から広がりまで、数百年前の芸術作品に触れるような鋭さと暖かさと優しさに満ち溢れている。
なんという贅沢!
そう、こういう映画こそ、贅沢な映画だと思う。
金とか、時間とか、知名度とか、比較して云々というようなケチ臭い次元ではなく、作品がどんなに想いを込められ、つまりは創り手に愛されて生まれてきたのか、それはやはり作品そのものに溢れているし、それを観るという行為はまた、そういう優しさに包まれるような至福になのである。
観ている間、ずっとドキドキしていた。
生まれてくる命がゆっくりとこうべをもち上げるような、そんなキラキラ光った美しさに酔いしれていた。
映画を創る時には、誰もまだ観ぬ作品を信じて、脚本から現場、編集まで全てにおいて常に判断を下さなければならない。
その判断を下すのが監督の仕事なのだが、そうするためには、自分の表現したいことを明確にし、自分の思い描く作品を信じ、そしてそれを人に伝えなければならない。
つまりは強い信念と自信と表現力が無ければ出来ないのだが、そういったものがこの作品を成り立たせているのがその端々まであまりに繊細な時間から否応無く伝わってくるし、それが即ち、この作品の強さと美しさなのだと思う。
この映画は5部構成になっているのだが、そのうちの第1部を数年前に上映会で観ていた。
その時も素晴らしい映像に驚愕し、なんと愛された贅沢な作品なんだと感動したのだが、驚くべきことに、数年の製作期間を経て5部構成の長編として生まれ変わってから、さらに素晴らしい作品になっているのだ。
それだけでも、如何に監督がこの作品を信じ、思い描き、丁寧に取り組んできたのかが良く分かる。
技術は勿論、映像も、言葉も、恐らくは最も大事にしている感情や感性、そして感動に至るまで、創り手の全てが惜しみなく捧げられた『世界はときどき美しい』という映画は、観るものにも素敵な時間を与えてくれる。
この作品が合わず好きじゃないという人がいるとしても、この素晴らしく贅沢な時間は決して後悔しないと思う。あたかも、無駄な人生経験なんて存在しないようにね。
こういった作品を劇場で観られるという贅沢は、必ず人生を豊かにしてくれる。
是非とも劇場で観ることを強くお勧めします。
最高の70分間を。
次回は始発まで。たまにはゆっくり飲みましょう。
いや、飲み過ぎには気をつけましょう。
お互いに(笑)。
監督もこの記事を読んだら喜ぶことでしょう。。。
こちらこそ、ありがとうございました!
良い映画を観る機会を頂けて感謝しております。
俺はシャイなので監督の前ではこんなこと言えませんw
言われる方もこっ恥ずかしいと思います!
次回は是非是非、朝まで呑み過ぎましょうw