2015年11月18日

アレノ

アレノ』(2015/79分/配給 スローラーナー)



監督 越川道夫
出演 山田真歩/渋川清彦/川口覚/内田淳子/遊屋慎太郎/諏訪太朗

公式サイト http://www.areno-movie.com/
2015年11月21日より、新宿 K's cinemaにてロードショー


エミール・ゾラの「テレーズ・ラカン」を下敷きに、愛人と共謀して夫を殺した人妻の姿を描くラブストーリー。

やっぱりフィルムっていいなと素直に思ったし、この映画に嫉妬するのはきっと僕だけではないはず。

かつてのピンク映画がそうであったようにとてもシンプルで、ほとんど物語らしい物語もないのだけれど、人物がとても強く美しく描かれていて、否応無く引き込まれる。

設定もよく分からないのだけれど、登場人物たちはとても素敵だ。
それこそ名前も職業も年齢も知らぬような初めて会ったはずの他人に目が釘付けになるみたいに、そんな、なんだろう、一目惚れとはまた少し違っても確かに虜にさせる類まれな魅力を彼らはたゆたえている。

繰り返されるラブシーンがどれも扇情的で素晴らしい。
生きている喜びと哀しみを同時に映し出してみせるのがラブシーンだと僕は思うのだが、そういう意味で久しぶりに本物のラブシーンを堪能した気がする。

刹那に消えてしまう儚い衝動というか、名もない微かな感情というか、なんというか匂いとか味とか肌触りとか、湖を流れる冷たい空気というか、そういう、映っているはずのない色々を感じさせてくれる映画であった。
僕はこういう映画が好きだし、こういう映画を撮りたいとずっと思っていたことを思い出した。
posted by 井川広太郎 at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする
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