2016年04月06日

ノーマ、世界を変える料理

『ノーマ、世界を変える料理』(原題 Noma: My Perfect Storm/2015年/イギリス/配給ロングライド/99分)



監督:ピエール・デュシャン
製作:エタ・デュシャン
出演:レネ・レゼピ

公式サイト http://noma-movie.com/
4月29日(金・祝)より新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー


デンマークにある北欧の食材を活かしたメニューで有名な”世界一のレストラン”「ノーマ」のオーナーシェフを追ったドキュメンタリー。

いま流行りのいわゆる”オサレ・ドキュメンタリー”で、GoPro的なウェアラブルカメラを多用し、お約束のドローンも出てくるし、そういった映像を使ったモンタージュシークエンスをバンバン挟んでくるし、最新かつ安価な機材を活かした”オサレ”なテクニックは今後ますます広まっていくのだろうなあなどと思っていた。

だが、波乱万丈ではあってもほとんどオーナーシェフであるレネ・レゼピ側の視点で描かれていて、また音声や映像をバラバラにしてから再構成しているので重みがなく、見た目は洒脱ではあるけどあまりコクはない。
劇中では昆布で出汁をとるという話があるのだけれど。

そのせいか次から次へと高級メニューが出てくるのだが、なぜか、どれも、いまいちピンとこない。
そもそも俺は決してグルメではないので、この映画を美食家の人たちならどう観るのか、むしろ気になるところ。

しかし、そんな俺から見てもノーマで使っている食器はなかなか面白くて、アジアっぽい陶磁器や木の器なんかも登場する。
ひょっとして特に日本の影響を大きく受けているのかなあなどと想像していたら、ノーマの厨房では「umami(旨味)」とか「dashi(出汁)」とか英語で言ってて、さもありなん。

あと、ノーマでは肉類のメニューがほとんどないのが、とても気になった。
食材は基本的に北欧(スカンジナビアと言ってた気がする)のものが望ましいというのがノーマのコンセプトとのこと。
魚やウニや卵料理は食べるようだし、地元の森で採れた野草やキノコとか、道端に咲いてるバラとか生きてるアリとか他では見向きもしないようなものは出てくるんだけど、皿に乗るのはほとんどが野菜。
肉類をあまりメニューとして出さないのは、北欧では地産としてはあまり食べないからなのだろうか。
北欧料理の店をオープンすると言ったら「クジラの脂身レストラン」とか「アザラシ野郎」とか馬鹿にされたという話が出てくるので、そういうことなのかしら。
宗教の話は若干出てくるけど、そういう影響ではなさそうだし、よく分からなかった。

そうそう、カリスマシェフであるレネ・レゼピは、とても柔和な印象なんだけど、時々、言葉遣いがとても乱暴。
字幕ではマイルドだけど、英語ではちょっとアレなことを頻繁に言ってる気がする。
彼がマケドニアからデンマークに来た移民であるということも関係しているのかもしれないけど、そういうアンビバレントな部分から彼の素の人間性が垣間見える気がした。
posted by 井川広太郎 at 10:06| Comment(0) | TrackBack(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする
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