2016年07月08日

カンパイ!世界が恋する日本酒

『カンパイ!世界が恋する日本酒』(Kampai! For the Love of Sake/2015年/アメリカ・日本合作/配給 シンカ/95分)



監督:小西未来
エグゼクティブプロデューサー:駒井尚文、スージュン、マイケル・J・ワーナー
出演:ジョン・ゴントナー、フィリップ・ハーパー、久慈浩介

公式サイト http://kampaimovie.com/
2016年7月9日シアター・イメージフォーラム、他全国順次公開!


日本酒に魅せられた国も経歴も違う三人の男たちの姿を描くドキュメンタリー

面白かった!
日本酒は好きだけどなにぶん無知なもんで、種類とか作り方とか歴史とか知識的な欲求も満たしてくれるのかと楽しみにしていたのだが、そのあたりは全く期待外れであった。
iMovieの既成曲がBGMとして執拗に繰り返されるのが集中を妨げるのか、特に序盤は退屈に感じた。
取材対象の三人の男は素晴らしく個性的だが、説明的でさほど深く迫るわけでもないので次第に飽きてくる。
にも関わらず、この作品が面白いのは、ひとえに日本酒という、とてつもなく魅力的な酒の魔力に尽きると思う。

イギリス出身で日本酒作りにのめり込む杜氏、アメリカ出身で日本酒の伝道者と呼ばれるライター、そして酒屋の五代目として生まれた岩手の蔵元という、三人の男の狂気にすら似た、人生を賭してストイックに酔い痴れる生き様が、日本酒の止めどない魅力を体現している。
「ここまで彼らを惑わす日本酒の魅力とは一体何なのであろうか」と、観ているこちらまで引き込まれていく。

日本酒は香り豊かで口の中に入れた瞬間に様々な風味が爆発し、さらに複雑な香気と喩え難い口当たりが怒涛のごとく広がり、そしてそれが腑に落ちるまで幕が閉じない劇場かのように続き、つまりは本当に美味く、温度や器によって常に変化し同じ瞬間など二度ないかのような豊かな表情を見せてくれ、土地や風土に根ざすがゆえ毎年違い数え切れないほどの種類を楽しめる。
というようなありふれて陳腐な言葉では遥かに足らず、少なくとも三人の男を惑わし、狂わし、鬼にするには事足りない。
これは由々しき事態であり、一つ、酒でも酌み交わしながら共に想いを巡らしたい案件なのである。
そんなわけで、この映画を観た後には是非とも一献、酔い痴れたい。乾杯!
posted by 井川広太郎 at 12:43| Comment(0) | TrackBack(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする
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