2016年09月03日

とうもろこしの島

『とうもろこしの島』(原題Simindis kundzuli/2014年/ジョージア・チェコ・フランス・ドイツ・カザフスタン・ハンガリー合作/配給ハーク/100分)



監督 ギオルギ・オバシュビリ
製作 ニノ・デブダリアニ、エイケ・ゴレチ

公式サイト http://www.mikan-toumorokoshi.info/
9月17日より岩波ホールにて公開


紛争中のグルジアとアブハジアの間に流れる川にできた中洲で、とうもろこし畑を営む老人と孫娘の姿を描く人間ドラマ

面白かった。
何もない島に畑を作り出す様子が無言劇で描かれ、まるで『裸の島』(1960/新藤兼人)じゃん!って思ったら、実際に裸の島リスペクトの映画らしい。

グルジアとアブハジアの間に流れる巨大な川では、秋から冬にかけて山に積もった雪が暖かくなると膨大な雪解け水となって増水し、春になると川の中に肥沃な中洲が出来上がるのだという。
その中洲に船でやってきた老人が、とうもろこし畑を作り上げるのだが、その過程が凄まじい。
何もない島に木材を運んできて加工し、小屋を建て、畑を作り、とうもろこし種を蒔いていく。
無から有を生み出していく農民の逞しさや偉大さが、ドキュメンタリーのようなドライさで延々と描かれる。
痺れる。

途中から孫娘もやってきて農作業を手伝いつつ、幾分か幼さを残す彼女は農作業に飽きたり退屈したり、外の世界に興味を持ったりする。
というのも、この川はグルジアとアブハジアの境になっていて、紛争中の双方の兵が偵察にやって来るのだ。
だが、争いになど興味はない老人は、兵たちを適当にあしらい黙々と農作業に打ち込む。
そんなある日、傷ついたグルジア兵が、とうもろこしの島に流れ着く、というお話。

前半のドライさが次第に転調し、クライマックスでは俄然ドラマティックになる。

僕はグルジア映画をあまり数多くは観たことがないのだが、観た作品は例外なく素晴らしい。
圧倒的に良い印象をグルジアに持ってしまうし、とてもとてもグルジアに行きたい。
こんな力強い映画を生み出すグルジアは、間違いなく魅力的なのだ。
posted by 井川広太郎 at 15:02| Comment(0) | TrackBack(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック