2016年11月02日

ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気

「ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気」(Freeheld/2015年/アメリカ/配給 松竹/103分)



監督 ピーター・ソレット
製作 マイケル・シャンバーグ、ステイシー・シェア、シンシア・ウェイド、ジャック・セルビー
出演 ジュリアン・ムーア、エレン・ペイジ、マイケル・シャノン、スティーブ・カレル

公式サイト http://handsoflove.jp/
2016年11月26日(土)より新宿ピカデリー他、全国ロードショー!


まだ同性婚が認められていなかった頃のアメリカで、末期ガンを患った女性警察官が、女性パートナーに遺族年金が下りるように司法を相手に戦ったという実話を元にしたヒューマンドラマ。

いわゆる一つの感動もので、そりゃもう、アウアウ泣いた。
人目もはばからずに泣きに泣いた。
最近、映画見て泣くこと多いなあと思いつつ、だって涙が止まらないのだもの。

2007年のアカデミー賞で短編ドキュメンタリー賞を受賞した実話を劇映画化したものだそうで、アメリカで同性婚を認可させる社会的な運動にも繋がっていったことが作中でも描かれる。
しかし「まだ同性婚が認められていなかった頃のアメリカ」と書くと少し不思議な感じもする。
いつの時代だよって普通に思うし、日本は同性婚はまだ認められてないんだっけ?

冒頭に出てくるジュリアン・ムーアは「老けたなあ」という印象なのだが、しかし、それがまた見事に効いていて、時間の経過とともにその剥き出しの生がさらに魅力的に映り、素晴らしくチャーミングで美しい。
病状の悪化で見せる姿はもう鬼気迫る迫力で、さすが、さすがジュリアン・ムーアとしか言いようがない。

エレン・ペイジに至っては、本作でプロデューサーも務めたという熱の入れようで、作品を見ればそれも納得。
これエレン・ペイジ本人じゃん!と突っ込みたくなるほどで、ハマり役という言葉でも足りない感じだが、それもこれも俳優が自ら出演作をプロデュースするというとても健全な成り立ちの賜物だろう。

そしてそして、やはり、この映画にはスティーブ・カレルの存在が欠かせない。
ギャグなんだかシリアスなんだかキワキワの、喜劇と悲劇の境界線を絶妙なバランス感覚で綱渡るスティーブ・カレルの繊細な演技が、ややもすると興ざめしてしまう濃厚な感動ストーリーに複雑なスパイスと奥深いリアリティを味付けしていく。
なによりスティーブ・カレルの明るいキャラクターが作品の印象に大きく影響を与えているので、もしも感動ものの映画は苦手という人がいたとしても、彼の演技を観るだけでも鑑賞する価値がある。
それぐらい売りになると思うんだけど、なぜか日本版のチラシの表にはスティーブ・カレルの名前が載っていなくて、困惑してしまう。(写真はバッチリ載ってるんだが)人気や知名度も日本でも高いと思うんだけど…
いや、しかし、やっぱり映画においてコメディアンは徹底的に相性が良く、実際、スティーブ・カレルの怪演は「いよ!待ってました!」と声をかけたくなるほど爽快なのである。

「ハンズ・オブ・ラヴ」といういかにも邦題っぽい甘いタイトルの由来がエンディング曲のタイトルであると判明するエンドロールがまた衝撃的なのだが、そのマイリー・サイラスの歌声も見事に感動的に聞こえるのだから、間違いなく素晴らしい映画なのだ。
posted by 井川広太郎 at 20:43| Comment(0) | TrackBack(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする
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