2017年10月23日

ヒトラーに屈しなかった国王

『ヒトラーに屈しなかった国王』(原題 Kongens nei/2016年/ノルウェー/配給 アットエンタテインメント/136分)



監督:エリック・ポッペ
製作:ペーター・ガルデ、フィン・イェンドルム、スタイン・B・クワエ
製作総指揮:ヘンリク・ツェイン
出演:イェスパー・クリステンセン、アンドレス・バースモ・クリスティアンセン、ツバ・ノボトニー

公式サイト http://kings-choice-jp.com/
12月よりシネスッチ銀座ほか全国順次公開


ナチスの侵略に抵抗するノルウェー国王の決断を描く史実に基づく歴史ドラマ。
堅苦しさはカケラもなく、ハラハラドキドキ手に汗握るサスペンフルな展開でメチャメチャ面白かった!

ノルウェーは1905年にスウェーデンから独立し、新憲法のもと立憲君主制のノルウェー王国を樹立。
その際、ゆかりの深いデンマークの王子を国王として迎え入れることになり、そうしてノルウェーの国王になったホーコン7世のお話。

国王といっても孫と遊ぶのが日課のおじーちゃまなのだが、突如ナチスドイツが侵略してきて、平和な日々がふいに破壊される。
情報が錯綜し、敵の攻撃の手が迫り一刻の猶予もない、その中で交渉を求めるべきか、断固戦うべきか、逃げるべきか隠れるべきか、様々な意見の対立も含めて国内は混乱する。
その結果、本来は政治的な影響力を持たない国家元首のホーコン7世はある決断を迫られるわけだが、そこに至るわずか数日がドラマティックに描かれる。

なにより国王が人間味ある人物として描かれているのが面白い。
王として父として一人の人間としてどう生き、自分の役割をどう全うすべきか悩む姿が誠実で魅力的である。
また他の登場人物たちもそれぞれの立場で葛藤しながら行動していることが大胆かつ繊細に描かれ、人間一人ひとりに尊厳があるのだというメッセージが力強く伝わってくる。
北欧について知らないことも多いので、この作品の中で学ぶことも多かったが、こういう映画を観ると親近感も湧くし、とりあえずめっちゃノルウェー行きたくなる。

立憲君主制という”憲法により君主の権限が規制されている国家制度”において、国家元首たるホーコン7世がどういう立場でどういう決断をするのか。
憲法、国家、そして権力者のあり方を問うこの映画を、いまこそ多くの日本人に観て欲しい。
posted by 井川広太郎 at 10:59| Comment(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする
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