2018年05月08日

ガチ星

『ガチ星』(2017/日本/配給マグネタイズ/106分)



監督 江口カン
プロデューサー 森川幸治、瀬戸島正治
出演 安部賢一/福山翔大/林田麻里/船崎良/森崎健吾/伊藤公一/吉澤尚吾/西原誠吾/博多華丸/モロ師岡

公式サイトhttp://gachiboshi.jp/
5月26日(土)より新宿K's cinemaほか全国順次公開


挫折した元プロ野球選手の男が、酒に溺れギャンブルにはまり離婚を経た後、再起を賭けて競輪選手を目指すドラマ

テレビドラマとして放映されたものを再編集、追撮して映画化したとのこと。

そもそも主人公が四十の冴えないおっさんという時点で沁みるが、その上で飲む打つ買う全てにおいてハイレベルな真性クズ。
それを余計な台詞を排したカッコイイ映像で表現しつつ、分かりやすくテンポのいい圧倒的な演出力で一気に魅せる前半はもう、日本版「レスラー」になるのではないかと大興奮。

ストーリーそのものは、王道なスポ根なのだが、なにより主人公のクズ描写がすごい。
プロ野球選手なのにベンチ裏でタバコを吸っているし、パチンコは家族より優先するほど完全な依存症だし、競輪選手になってもルール違反をガンガンしているし、忖度ない表現にはドキッとさせられる。

だけど異様にモテる、そこも良く分かる。だって人間らしく、人間臭いんだもの。
不器用でも、もがいて必死に生きる人間をリアルに描く前半は泣けるし笑えるし身につまされるし、人間の悪いとこも良いとこも見えてきて素晴らしく面白い。
ただ、とてもいいキャラであった競輪学校の鬼教官が秘めた親心なんてのを吐露してからは転調してしまい、僕は乗れなかった。

ともあれ前半のソリッドな演出には本当に驚かされたので、それだけでも間違いなく見応えある。
こないだ某映画館にいたら、横にいた若いおしゃれカップルがガチ星のチラシを手に「この監督、CM出身で面白いから見たいんだよー」って話してた。
なうなヤングには既に知れ渡っているらしく驚いたが、そんな彼らがクズな四十男の生き様をどう見るのか、それもすごく楽しみ。
posted by 井川広太郎 at 21:30| Comment(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする
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