2018年10月18日

生きてるだけで、愛。

『生きてるだけで、愛。』(2018年/日本/配給クロックワークス/109分)



監督:関根光才
製作:甲斐真樹、松井智
出演:趣里、菅田将暉、田中哲司、西田尚美、松重豊、石橋静河、織田梨沙、仲里依紗

公式サイト http://ikiai.jp/
11月9日(金)新宿ピカデリーほか公開


躁鬱が激しく社会に適応できないで苦しむ女と、彼女と同居する恋人との奇妙な関係を描くラブストーリー

とてもよかった!
ヒロインがどうしようもないクズなんだけど、突き抜けた明るさや苦悩を吐露する正直さがなんとも愛らしい。
ややもすると不快になりそうなところ、いや実際あまりのダメさにムカつくんだけど、ギリギリのラインで魅力的に感じさせる演技が素晴らしい。

こういう奴、いる!いっぱいいる!たくさん見てきた。
今風に言ってしまえば「メンヘラ」で片付くわけだが、実際にメンヘラと生活するとなると、なかなか大変だ。
それだけに、彼女を見守っているのか付き従っているのか、諦めと無気力の中に屈折した激情が見え隠れする彼氏もリアルで惹きつける。

そんな彼らの周りにもいい人がいて、いい出会いもあり、うっかり安直なドラマに陥りそうな罠がありつつも、ろくに進展しないという勇敢さ。
情には流されない物語の停滞感が主人公たちの悩ましいモヤモヤを表象しているからこそ、その中に潜む煌めきがスパークするラストのシークエンスは、なんとも感動的だ。

ここんとこ、シンプルでディープで”文学的な”恋愛ものの日本映画が多い気がするけど、それはキラキラ映画に対する反動なのだろうか。
それとも単に、草臥れて救いどころがないけど愛おしいこの現実を愛でていたいという、大人たちのカタルシスなのであろうか。
ともあれ、その多くが面白い映画であるから、なんとも嬉しい。

ロケ地が良い。
横浜の下町、朽ちたネオンが輝く大岡川沿いの猥雑で寂れた雰囲気が、生活感と哀愁を遺憾無く映している。
posted by 井川広太郎 at 18:35| Comment(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする
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