2019年08月21日

エンテベ空港の7日間

『エンテベ空港の7日間』(原題 7 Days in Entebbe/2018年/イギリス・アメリカ合作/配給 キノフィルムズ/107分)



監督 ジョゼ・パジーリャ
製作 ティム・ビーバン、エリック・フェルナー、ケイト・ソロモン、マイケル・ライト
出演 ダニエル・ブリュール、ロザムンド・パイク、エディ・マーサン、リオル・アシュケナージ、ドゥニ・メノーシェ、ベン・シュネッツァー

公式サイト http://entebbe.jp/
10/4(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開!!


実際に起きたハイジャック事件とその人質救出作戦を描くサスペンス

1976年、テルアビブ発パリ行きのエールフランス機を乗っ取った犯人が服役中の親パレスチナ過激派テロリストの解放を要求するが、イスラエル政府は犯人グループが立てこもるウガンダのエンテベ国際空港での人質救出作戦を決行する、という実際に起きた事件の4度目の映画化という。

過去の三本は事件直後に制作されたが、四十余年後に撮られた本作は詳細な研究や取材を基にした史劇であり、多角的に描く群像劇であって、主人公はドイツ人テロリスト。
英雄的な物語ではあるが単なるアクション映画やヒーロー映画ではなく、登場人物一人一人に深い人物造形が施されたリアルでシリアスなドラマになっている。

極限状態の中で理想と現実が入り乱れ仲間と対立し犯行の是非を問い続けるテロリストと、事件が引き金になって政治闘争化していくイスラエル政府を主軸に、長い拘束期間で人間性がむき出しになっていく人質たちや、あまりにも大胆な作戦に困惑を隠せないイスラエル軍兵士など、それぞれの立場で、それぞれの思いや葛藤が丁寧に描かれていく。

しかし事実を積み上げる展開はテンポよく、助長になることも無く、美しく素晴らしいショットの連続で、叙情と緊張感とが両立した素晴らしい演出で手に汗握る面白さ。

様々な国の人が登場するのでドイツ人同士はドイツ語で、フランス人同士はフランス語でなど、きっちり使用言語を分けているのだが、なぜかメイン舞台であるイスラエル政府はヘブライ語ではなく英語で会話しているのが奇妙だった。

劇中の要所でコンテンポラリーダンスが挿入されるのだが、それがとても効いている。
コンテンポラリーダンスを使用する映画はあっても無理矢理感が強かったり、残念な感じだったりすることが多い。
だが、この作品では大胆な起用ながら見事に融合し、むしろそのコンテンポラリーダンスがあるからこそ映画として完成したのではないかとすら思う。
豪快な音楽で煽りに煽ってから踊る、たまらん。
posted by 井川広太郎 at 13:52| Comment(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする
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