2019年10月06日

ゾンビ-日本初公開復元版-

『ゾンビ-日本初公開復元版-』(1979/原題:Dawn of the Dead/製作国:アメリカイタリア/上映時間:115分/配給:ザジフィルムズ)



監督:ジョージ・A・ロメロ
監修:ダリオ・アルジェント
製作:クラウディオ・アルジェント、アルフレッド・クオモ、リチャード・P・ルビンスタイン

公式サイト https://www.zombie-40th.com/
11/29(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開!


ホラー映画の金字塔「ゾンビ」の日本公開40執念、もとい40周年記念で制作された「日本初公開復元版」。
ホラーが苦手な僕は、実のところ「ゾンビ」はこれが初見。

死んだ人間が蘇って“ゾンビ”という化け物となり生きている人々を襲うというパニックムービー。
うん、構造的にはこれパニックムービーだと思うんだが、これがゾンビというホラー映画の一ジャンルを決定づける作品となった、で合ってるのだろうか。
そんな誰もが知ってる伝説の映画「ゾンビ」には編集の違う複数のバージョンがあるらしく、今回上映されるのは「日本初公開時に配給会社が勝手に改変したバージョン」の復刻版という曰く付きの一品。

その最大の特徴は、冒頭に謎の惑星の爆発でゾンビが発生するようになったというトンデモ映像と説明文が追加されていること、スプラッターな残酷シーンはストップモーションなどの映像処理が施されていること、さらにエンドロールがカットされていることだという。
字幕も当時のものを可能な限り再現したらしいのだが、誤訳もあって分かりにくく、とにかくヒドイ。

ハッキリ言って、この『ゾンビ-日本初公開復元版-』は珍品すぎる。
これはもうゾンビマニアのゾンビマニアによるゾンビマニアのための映画と断定して差し支えなかろう。
寝た子を起こすなと言うが、すまんが屍体を墓から掘り起こすようなことは止めてくれ。
素人が迂闊に手を出すと怪我してしまうし、その傷からうっかり感染してしまうかもしれないから要注意。

しかしゾンビが巣食うショッピングモール、次第にゾンビ化していく仲間、歩けない人を乗せる台車などなど、最近のゾンビ映画にまで引き継がれている要素がこの作品でほぼ出尽くしているという事実に衝撃を隠せない。
とまあ、こんな不勉強ぶりを晒すと多くの人にお叱りを受けるんだろうけど仕方ない。ホラー好きじゃないんだもの。

ちなみにこの『ゾンビ-日本初公開復元版-』は上映プリントが残っていなかったので、現存する中で最も近いというテレビ放送版を再編集して「復元」したのだという。
実物がないので片っ端から資料に当たってこんな感じだったのではないかと推測し、関係者たちの記憶をたどり、果てはゾンビマニアの方々の話を聞いて回って完成させたのだという。
唖然とするしかない。いまも幾つものバージョンが残っているというのに、わざわざ時代に埋もれた日本初公開時のものを大変な苦労を重ねて復元させたのだ。まさに朽ちても何度でも蘇るゾンビマニアたちの執念の結晶。
そんな狂気のプロジェクトを指揮したのは一体どこの誰なのか、その制作過程を追ったドキュメンタリーがもしあるのなら、そちらの方を僕は見たい。
posted by 井川広太郎 at 11:41| Comment(0) | REVIEW | 更新情報をチェックする
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