2005年09月20日

青春の想い出とか

バンクーバーに“棲みたい街ランキング1位”の座を奪われたとはいえ、俺が6年間(+半年)暮らした国立は、最愛の街であることには何ら変わりがない。

なので、国立での想い出など挙げていったらきりがないのだが、今日、友人との会話の中に出てきたロージナ茶房について軽くお話しすることにする。

“都内最古の喫茶店”と名乗ることだけはあって、隣接する”邪宗門”と並び、国立っ子なら誰でも知っていて、中央線文化を代表する喫茶店の一つであることは万人の認める所である。

だが、実際に足を運ぶと、その印象は大きく異なる。

確かに、昼間は有閑マダムの巣窟として、その優雅な雰囲気を維持しているが、日が沈むと、某近隣大学の学生達の胃袋を鎮める為に、一人前が他店の三人前はあろうかという大味なカレーやパスタを提供する食堂と化すのである。

まあ、この辺の「新入生はまずザイカレー独りで喰ってみろ」とか「ロージナは月曜に仕込んでそれっきりだから金曜では味が違う」とかいう逸話は、これまた枚挙に暇が無いので止めておく。

今日、友人と築いたコンセンサスは“ロージナは青春の場であった”ということである。

これまた、「ロージナの店員は顔セレされている」とか噂は数あるのだが、そんなことはどうでも良い。

俺と彼には、ロージナでの淡い青春の想い出があるのだ。

俺の場合、偏にとある女子店員に惚れて仲良くなったものの、何度もデートに誘っても断られるという具合の、面白味も何も無いストレートなエピソードであるが(勿論、他にも挙げれば無数にあるなりよ)、友人のエピソードが素晴らしいので、少し、思い出しておく。

その時既に、その友人は国立を離れていて、遥か都外に住んでいた。

久方ぶりに国立に来た際に、彼はロージナに寄った。その際に、ある店員の女子に惚れて、「好きです!電話番号を教えて下さい!」といきなり告った。彼女は恥ずかしそうにその場を立ち去ったが、暫くして友人のテーブルに戻ってきて、電話番号を書いたメモを渡した。

にも関わらず。にも関わらず、にである!(ベラ・バラージュ風)

友人は芋を引いて、その連絡先に電話することをしなかった。引っ込み思案にも程がある。

ともあれ、そのまま半年が経った。

そして、再び、その友人が国立に来た。嫌がる友人を連れて、俺はロージナに行った。

然して、彼女は未だ、店員として働いていた。

何知らぬ顔で給仕する彼女を横目に俺は甚だドキドキしていた。友人の鼓動は、俺より遥かに早かったであろう。

何事も無く、ロージナでの飲食は済み、俺達は店を出た。

俺はその友人に「これで良いのか?」と問うた。彼は「これで良いのだ」と応えた。

それから、三角帽の駅舎の前で、二人で煙草を吸っていた。

彼は遠地に住んでいる為、そろそろ帰らねばならぬ。

その時、咄嗟に彼は煙草を投げ捨て、俺に行った。

「やっぱ、行ってくる!」

彼はそういうと、ロージナに向かって走った。

その後ろ姿は・・・ とてつもなく間抜けで、カッコ良かったなあ・・・

10分後、彼は戻ってきた。

「どうだった?」
「いや・・・ 俺のこと覚えてたって・・・」
「それだけでいいの?」
「ああ・・・」

友人はそのまま、帰っていった。


いまから、6年以上も前の話である。
posted by 井川広太郎 at 01:36| 東京 🌁| Comment(4) | TrackBack(0) | lost in blog | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お初です!

けっこう優しい文体なんだね(笑)

追:「関わらず」は「拘らず」ね!
Posted by Citizen Taro at 2005年09月20日 09:58
>Citizen Taro

優しい文体?
内容が内容だからじゃないのかなあ。
どちらにしろ、俺は優しい男になったのだよ(笑

「関わらず」だろ、と思い、引用元にあたってみたら、「かかわらず」と平仮名だった。
「拘らず」の方が一般的らしいが、語義的には同じだし、どちらでも良いのじゃないの?

駄目?
Posted by 井川広太郎 at 2005年09月20日 10:47
ええ話や。
昔、国分寺に住んでいたオレにとっても
「ロージナは青春の場であった」
当時つきあっていた彼女と…教えない!
Posted by JMかーの at 2005年09月20日 15:27
>JMかーの

なんだよー
あんた、こと恋話になると内緒多いなあ。
今度、酒呑みながらロージナ想い出トークしようぜ。
あ、話途中でJMかーのは酔い潰れちゃうか。ぐふっ
Posted by 井川広太郎 at 2005年09月20日 23:43
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